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私の社会保障論 現代の「縁側づくり」=白十字訪問看護ステーション統括所長・秋山正子

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地域の絆、一工夫が必要

 故郷、秋田県の実家での一昔前の情景を思い出す。八郎潟の残存湖で取れたしじみ貝や小魚、畑の野菜をかごいっぱいに背負って、行商のおばさんたちが駅に降り立つと、駅近くに面し、いつも玄関の戸を開けている我が家に立ち寄った。母とあいさつを交わし、荷物の一部を小分けにして物売りに出掛ける。帰りにまた立ち寄ると、玄関先に腰かけて、ひとしきりおしゃべりに花が咲く。

 お茶と漬物、時には庭で取れた柿やイチジク、季節の香りがするものが一品添えられる。見ず知らずの人と、よくあんなに親しげにしていたものだと思うが、あのころは玄関を開けているのが普通だったし、そうやって行きかう人々ともあいさつを交わし、お互いの安否を確かめあっていた。

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