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私たちの宝物 障害の子67人、親が写真公開

障害を持つ息子へ=YouTubeより
障害を持つ息子へ=YouTubeより
障害を持つ息子へ=YouTubeより
障害を持つ息子へ=YouTubeより

 障害のある67人の生き生きした表情を紹介する動画「障害を持つ息子へ」がインターネットの投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている。相模原市の障害者施設で昨年7月に19人が殺害された事件を受け、親たちから寄せられた写真をスライドショーにした9分間の作品だ。「私たちにとってかけがえのない存在だと知ってほしい」。そんな父や母の思いが込められている。

 大きく口を開けて歯を磨く女の子、きょうだいとじゃれ合う男の子……。ギターの弾き語りが流れる中、幼かったころの姿と1年以内に撮った写真が、名前や愛称とともに次々と映し出されていく。登場するのは1歳から44歳の人たちだ。

 自閉症の息子を持つRKB毎日放送(福岡市)の記者、神戸金史(かんべ・かねぶみ)さん(50)は、相模原で事件を起こした男が「障害者はいなくなればいい」と供述したと知り、自分たちを否定されたようで無力感に襲われた。

 「息子よ、そのままでいい」。事件の3日後、東京に単身赴任している神戸さんは、離れて暮らす長男金佑(かねすけ)さん(19)への思いをフェイスブックにつづり、大きな反響を呼んだ。

 今年7月、神戸さんは障害がある人のありのままの姿を広く知ってもらおうとフェイスブックで写真の提供を呼び掛けた。全国から写真が届き、動画にして今年9月、公開した。音楽は、神戸さんがつづった言葉に友人で歌手のパギやん=本名・趙博(チョパク)=さんが曲を付けた歌を使った。

 東京都内に住む会社員の男性(51)は「子どもたちの歩みを感じてほしい」と自閉症と知的障害がある息子(17)の写真を寄せた。「障害者は『障害者』である以前に一人の生身の人間。息子は『ただいる』だけで、生きている喜びを無言で語りかけてくれる。私たちにとってかけがえのない唯一の存在です」と話している。【金秀蓮】


神戸金史さんが相模原事件の3日後にフェイスブックに投稿した文章(全文)

「障害を持つ息子へ」

私は、思うのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

あなたはもっと、普通の生活を送れていたかもしれないと。

私は、考えてしまうのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

私たちはもっと楽に暮らしていけたかもしれないと。

何度も夢を見ました。

「お父さん、朝だよ、起きてよ」

長男が私を揺り起こしに来るのです。

「ほら、障害なんてなかったろ。心配しすぎなんだよ」

夢の中で、私は妻に話しかけます。

そして目が覚めると、

いつもの通りの朝なのです。

言葉のしゃべれない長男が、騒いでいます。

何と言っているのか、私には分かりません。

ああ。

またこんな夢を見てしまった。

ああ。

ごめんね。

幼い次男は、「お兄ちゃんはしゃべれないんだよ」と言います。

いずれ「お前の兄ちゃんは馬鹿だ」と言われ、泣くんだろう。

想像すると、

私は朝食が喉を通らなくなります。

そんな朝を何度も過ごして、

突然気が付いたのです。

弟よ、お前は人にいじめられるかもしれないが、

人をいじめる人にはならないだろう。

生まれた時から、障害のある兄ちゃんがいた。

お前の人格は、

この兄ちゃんがいた環境で形作られたのだ。

お前は優しい、いい男に育つだろう。

それから、私ははたと気付いたのです。

あなたが生まれたことで、

私たち夫婦は悩み考え、

それまでとは違う人生を生きてきた。

親である私たちでさえ、

あなたが生まれなかったら、

今の私たちではないのだね。

ああ、息子よ。

誰もが、健常で生きることはできない。

誰かが、障害を持って生きていかなければならない。

なぜ、今まで気づかなかったのだろう。

私の周りにだって、

生まれる前に息絶えた子が、いたはずだ。

生まれた時から重い障害のある子が、いたはずだ。

交通事故に遭って、車いすで暮らす小学生が、

雷に遭って、寝たきりになった中学生が、

おかしなワクチン注射を受け、普通に暮らせなくなった高校生が、

嘱望されていたのに突然の病に倒れた大人が、

実は私の周りには、いたはずだ。

私は、運よく生きてきただけだった。

それは、誰かが背負ってくれたからだったのだ。

息子よ。

君は、弟の代わりに、

同級生の代わりに、

私の代わりに、

障害を持って生まれてきた。

老いて寝たきりになる人は、たくさんいる。

事故で、唐突に人生を終わる人もいる。

人生の最後は誰も動けなくなる。

誰もが、次第に障害を負いながら

生きていくのだね。

息子よ。

あなたが指し示していたのは、

私自身のことだった。

息子よ。

そのままで、いい。

それで、うちの子。

それが、うちの子。

あなたが生まれてきてくれてよかった。

私はそう思っている。

父より

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