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困窮者向け住居

新制度を検討 高齢者増、生活支援重点

生活困窮者施設への規制強化と支援策(イメージ)

 厚生労働省は、生活困窮者向けに新たな住居制度を創設する検討に入った。現在も生活保護受給者らを対象にした「無料低額宿泊所」の制度はあるが、一時的な住まいの位置づけだ。貧困高齢者が増加していることを踏まえ、厚労省は、生活支援に重点を置いて継続的に暮らせる場を確保し、生活困窮者支援を強化したい考えだ。来年の通常国会での社会福祉法などの改正案提出を目指す。

 無料低額宿泊所は生活保護費目当ての「貧困ビジネス」の温床になっている。厚労省が2015年に全国の無料低額宿泊所537施設を調査したところ、4割近い200施設が指針(個室面積7.43平方メートル以上)より狭かった。一方で、家賃については8割近い416施設が生活保護費の家賃相当額の上限(東京23区内の1人暮らしで月5万3700円)を取っている。

 こうした状況を受け、厚労省は既に、無料低額宿泊所への規制強化策を打ち出しており、自治体が事業者に改善命令を出す仕組みを新設するとともに、事業者の届け出時期を「事業開始1カ月以内」から「事業開始前」に改める方針だ。

 ただ、無料低額宿泊所は高齢や障害などで1人暮らしの難しい人の受け皿になり高齢化を背景に長く住む人も増えている。悪質業者の排除だけでは生活の場に困る人が出る恐れがある。このため、厚労省は継続的に暮らすことを前提に、生活支援などの付いた住居制度の創設を検討。食事の提供など必要な支援に関する具体的な基準を設ける。

 現状でも生活支援などに取り組む優良施設はあるが、財政支援する仕組みは乏しい。新制度では委託費など財政面で優遇し、優良施設が新制度に移行するのを促す意向だ。【熊谷豪】

 【ことば】無料低額宿泊所

 社会福祉法に基づき、無料や安い家賃で生活困窮者向けに一時的な住まいを提供する施設。ホームレス支援策として1951年に制度化された。厚生労働省の調査では、全国537施設で1万5600人が生活。生活保護受給者が1万4143人と9割を占める。65歳以上の高齢者が4割に上り、大半は単身者で、介護の必要な利用者も多い。自治体への届け出だけで開設できるが、無届け施設も1236施設と届け出施設の2倍以上ある。

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