SUNDAY LIBRARY

平松 洋子・評『新幹線各駅停車 こだま酒場紀行』大竹聡・著

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

出逢いと別れにそっと寄り添う各駅停車の旅の味、酒の味

◆『新幹線各駅停車 こだま酒場紀行』大竹聡・著(ウェッジ/税別1300円)

 つい、新幹線は「のぞみ」を選びがちだ。目的地までの時間をできるだけ短縮するのが習い性になっており、世知辛い。で、数カ月前久しぶりに「こだま」に乗ってみた。「ひかり」も停車する駅だったが、のんびり行きたかったのは、雑誌(『ひととき』)連載時の「こだま酒場紀行」が頭にあったから。今月はどの駅に降り立ったのだろう、わくわくしながら三年半愛読していた。

 著者の大竹聡さんはかつて、ホッピーを飲み継ぎながら中央線で東京横断する“ホッピーマラソン”を敢行なさったお人。あの伝説の酒行脚が「こだま」に舞台を移すのは自然な流れにも思われるが、しかし、東京-博多間「こだま号」停車駅の数、三十五。マラソンというより、知らない街知らない酒場を越えてゆくトライアスロン。小旗を振って線路脇で応援する気にさせられるところが、また楽しい。

この記事は有料記事です。

残り1075文字(全文1496文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい

注目の特集