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現代美術家・榎忠 兵器で問う人の矛盾

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アトリエで使用済みの薬きょうを磨き、オブジェ作品にする榎忠=神戸市西区で、清水有香撮影
アトリエで使用済みの薬きょうを磨き、オブジェ作品にする榎忠=神戸市西区で、清水有香撮影

 この男、危険。そう書かれた2008年の個展ポスターが部屋のドアを飾る。作業場には使用済みの薬きょうが山と積まれ、「LIBERTY」(自由)と刻まれた黒光りの大砲がこちらをにらむ。神戸市西区の山中にある現代美術家、榎忠(えのきちゅう)(73)のアトリエはさながら革命を準備する秘密基地のようだ。旋盤工として金属加工会社に定年まで勤めながら、主に鉄の廃材を使った作品を発表。重厚な作風とは対照的に小柄で、エノチューの愛称で親しまれる。

 作品にしている使用済みの薬きょうは、主に沖縄の米軍キャンプに集められたもの。「撃った後の薬きょうがこれだけあるということはどういうことなのか、想像してほしい」と榎は話す。ゆがみの激しい数十センチもの大きな薬きょうは気に入った形を選び、専用の機械でさび付いた表面を磨いて美しいオブジェへと変貌させる。

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