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金言

欧州総局長、外信部長などを歴任した小倉孝保論説委員のコラム。

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金言

米大使館移転の意味=西川恵

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 イスラエルはエルサレムを自国の首都としている。しかし国際社会は認めず、自国の大使館を地中海沿岸のテルアビブに置く。経済とビジネス中心の、世俗的で近代的な都会のテルアビブから南東に約50キロ。エルサレムは一転してどこか厳粛な気持ちにさせる宗教的雰囲気に満ちている。

 宗教的色彩が深く刻印された都市は、ローマ(キリスト教)、メッカ(イスラム教)、ラサ(チベット仏教)など幾つかある。しかしその中でエルサレムは特別だ。他のいずれもが一宗教の聖地や象徴的都市であるのに対し、エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3大一神教の聖地となっている。

 私は何回か訪れたが、テルアビブがファッショナブルで色彩豊かなのに比し、エルサレムは白と黒の町という印象が強い。聖職者たちの黒い服装や、アラブ民族衣装の白のコントラストもあるが、内外から訪れる敬虔(けいけん)な信者たちも、聖地のためカラフルな服装を避けているからではないかと思う。狭い石畳の路地を歩くと、イスラム教のモスクが現れ、ユダヤ教のシナゴーグ(礼拝所)があると思うと、キリスト教の教会から信者…

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