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社説

NHK受信料に合憲判決 公共放送の自覚を新たに

 テレビを設置した者にNHKとの契約を義務づけた放送法64条の憲法適合性が問われた訴訟で、最高裁は合憲との判断を示した。

     判決は受信料制度を「国民の知る権利」を満たす仕組みと認定した。受信料を、特定の個人や国家機関などから影響が及ばないよう、公平に負担を求めたものと結論づけた。

     そして契約を拒む男性に、受信料を支払う必要があると述べた。

     社会の情報基盤であるNHKの役割を重くみて、その維持・運営を受信設備の設置者が支えるという判決の考え方は理解できる。

     NHKは、2006年から支払い督促の法的手続きに乗り出した。未契約者を相手取った訴訟は今年9月末で約280件にのぼる。

     受信料制度が合理的と認められたことで、未契約世帯約900万からの徴収にも影響が予想される。

     ただし、NHKはこの判決をお墨付きにせず、公共放送としての自覚を新たにしなければならない。

     前会長は国際放送について「政府が右というものを左というわけにはいかない」と述べるなど、政治との距離が問われた。職員の無駄遣いが問題になったことも少なくない。

     放送法は、NHKの目的を、あまねく全国で受信できる、豊かで良い番組を放送するとうたう。NHKの倫理・行動憲章は冒頭に、自主自律を堅持し、健全な民主主義の発展に役立つ放送を掲げている。

     つまり公共放送は、国の言い分を伝えるのではなく、多くの角度から論点を明らかにするなど、多様性の確保が期待されているのである。

     今回の訴訟では、法相が戦後2例目となる意見書を提出した。危急時の情報提供をNHKの使命に挙げ、受信料は不合理ではないと記した。

     NHKの災害報道には一定の評価がある。しかし、公共放送には他にも重要な役割があるだろう。

     日本の放送は、NHKと民間放送の二元体制を特徴とする。広告収入に頼る民放と補い合い、NHKには例えば地方や少数者に配慮する番組が求められるのではないか。

     NHKではテレビ離れが進む中、ネット業務の範囲や負担のあり方も検討されている。公共放送としての役割をもっと議論し、人々の理解を得るよう努めてほしい。

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