メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

アートの地平から

科学と芸術の間=住友文彦

 「ポケモンGO」や通販サイトなどでおなじみになりつつある拡張現実(AR)と同じくらい、アーティスティック・リサーチ(AR)という言葉が浸透してほしい。これは芸術家が表現するために調査や試作をする過程である。例えば一枚の絵を描く時も、描く対象について調べ、何枚ものスケッチを作成する。多くの鑑賞者が眼(め)にするのは完成された作品だが、そこに至るにはどのような思考や実践があるのか。それはたいがい孤独な作業に違いなく、ゆえに楽しいのだとも言える。いっぽうで制作過程に触れる機会は限られ、学芸員にとっても貴重な経験である。

 新しい作品の制作に併走するとARの醍醐味(だいごみ)を知る。現在、アーツ前橋で新作を展示中の山川冬樹(1973年生まれ)は太陽系から飛び出したボイジャー計画を祈りだと言う。その地上から地球外生命体に届けられる祈りと、地上から別れを告げる言葉を彼は重ね合わせる。その言葉を聴くためには「嘆きの壁」に祈りをささげる人のように壁に頭をつけなければならない。死の向こう側を想像することで異なるものが結びつけ…

この記事は有料記事です。

残り600文字(全文1060文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. #排除する政治~学術会議問題を考える 「まるでモラハラのよう」 矛盾だらけの「改革」論議 名大・隠岐さや香教授

  2. NiziU、初シングルCD「Step and a step」が店頭に

  3. ベトナムで3カ月ぶり市中感染 隔離中の客室乗務員と接触した男性 現地報道

  4. コロナで変わる世界 <移民編 インタビュー③>広瀬弘忠さん 感染を外国人のせいにする行政「ヘイト」は問題

  5. 愛子さま、19歳に 今春に大学進学 オンライン授業、課題などで忙しく

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです