メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ノーベル文学賞

イシグロさん記念スピーチ 全文

 【ストックホルム鶴谷真】2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人作家、カズオ・イシグロさんが10日夜(日本時間11日早朝)、ストックホルム市庁舎での記念晩さん会で行ったスピーチ全文は以下の通り。

   ◇

 陛下、殿下、そして紳士淑女の皆様。

 大きな外国人の顔、西欧の男の人の顔が、私の本の1ページを埋めるようにカラーで描かれていたのを、鮮明に記憶しています。堂々とした顔の後ろの一方に見えたのは、爆発による煙とほこりでした。もう一方に描かれていたのは煙の中から空へと昇っていく白い鳥でした。私は5歳で、伝統的な日本の家の畳の部屋で腹ばいになっていました。この瞬間が印象に残ったのは、私の後ろの方で、ダイナマイトを発明した人が、その使われ方を心配して(日本語で)「のーべるしょう」を作ったと話す母の声に特別な感情がこもっていたからです。「のーべるしょう」という言葉を日本語で聞いたのは、これが初めてでした。「のーべるしょう」はね、と母は言いました。(同)「へいわ」を促進するためにあるのよ、と。「へいわ」はピースやハーモニーという意味の日本語です。私の街、長崎が原爆によって壊滅的な被害を受け…

この記事は有料記事です。

残り747文字(全文1245文字)

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 結婚できない男 阿部寛主演ドラマが13年ぶり復活! 続編が10月期放送
  2. 世界の雑記帳 直立したマウンテンゴリラが飼育員の自撮りに納まる、コンゴで
  3. 池袋暴走 元高級官僚だから? 「なぜ運転手が逮捕されないのか」疑問の声噴出
  4. 東京・池袋の暴走 「さん」付け/元院長/匿名… 新聞社、呼称対応分かれ
  5. 特集ワイド 衆参同日選、可能性探る 毎日新聞専門編集委員・与良正男×ジャーナリスト・鈴木哲夫氏

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです