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武田 砂鉄・評『バンドやめようぜ!』イアン・F・マーティン/著

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忖度まみれの音楽評論の“病巣”を鋭くえぐる

◆『バンドやめようぜ! あるイギリス人のディープな現代日本ポップ・ロック界探検記』イアン・F・マーティン/著(Pヴァイン/税別2500円)

 2001年に東京へ移住、高円寺などのインディーズ音楽の現場に精通した英国人ジャーナリストが記す、現代日本の音楽界を批評する一冊。メインタイトルよりも、「あるイギリス人のディープな現代日本ポップ・ロック界探検記」とのサブタイトルが内容を言い当てている。

 今や音楽評論の世界は忖度(そんたく)だらけとなり、しかもその空気を甘受している状況にあるが、そこを刺す冷徹な言質が鋭い。もはや「批評家とアーティストの間にあるクリエイティヴな緊張感を奪われる」ほどに称賛ばかりが溢(あふ)れている。「ページ露出に対してレーベル側が雑誌媒体に代金を支払うというビジネス・モデル」や、書いた原稿をレーベル側が事前に読ませるように要求する「チェッキング」の慣例が雑な称賛を…

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