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園田博之議員

再調査を口利き NPO法人追徴課税巡り

税務調査を巡る口利きの構図

 兵庫県西宮市のNPO法人「西宮障害者雇用支援センター協会」から200万円の資金提供を受けたとされる自民党の衆院議員、園田博之元官房副長官(75)が今年6月、当時国税庁次長を務めていた飯塚厚氏(現・財務省関税局長)に電話をかけ、協会に対する西宮税務署の調査を「間違い」と指摘し、再調査を求めていたことが分かった。議員会館から電話しており、毎日新聞は口利きの様子を収めた音声データを入手した。

 園田氏は取材に対し「便宜供与などした覚えはない」とするコメントを出しているが、実際には協会の要望通り、官側に働きかけていた。

 西宮税務署は1月、協会が2016年までの約6年間に経費計上した約5億円について、寺下勝広(かつひろ)顧問(73)への給与に当たると判断し、源泉所得税の納付漏れがあるとして約2億8000万円の追徴課税を求めた。協会は3月に再調査を請求したが、同税務署は6月15日、ほとんどの主張を退け、ほぼ同額を課税する通知文を出した。

 協会の寺下篤史(あつし)理事長(35)によると4日後の同19日、顧問とともに東京・永田町の衆院第2議員会館内の事務所を訪れ園田氏と面会。税務調査は協会が誤って作成した決算書を基に行われたとして、新たな決算書に基づく再調査を求め、園田氏はその場で国税庁に電話をかけた。

 通話時間は約4分間。データによると、園田氏は代表番号に自ら電話をかけ、「飯塚次長をお願い」と取り次ぎを依頼。「頼みがある」と切り出し「(税務署が)『税金払え』って迫ってきているらしい。3億近い金。(払えば協会は)つぶれるわけですよ」と説明したうえで「『もういっぺん再調査をしていただけませんか』というお願いなんだよ。よく調べて、冷静に調べてみて。明日でも電話ください。お願いします」と依頼した。

 飯塚氏は取材に応じ、音声データを聞いたうえで「園田さんから電話があり『再調査してくれないか』と言われた」と答えた。「守秘義務がある」として詳細は語らなかったが、関係者によると、飯塚氏は特別な対応はせず、その後、再調査が実施されたり、課税処分が変更されたりすることはなかった。協会は7月、国税不服審判所に審査請求している。

 園田氏を巡っては13年12月、協会側から200万円を受領したものの、関係する同年分の政治資金収支報告書に記載していない事実が毎日新聞の報道で判明。協会は8日、政治資金規正法違反の疑いがあるとして、告発状を東京地検に送付した。【向畑泰司、神保圭作、田中龍士】

 全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士の話 議員が行政に処分の見直しを求めることは、行政への圧力と言え、公平性・中立性を損ない不適切だ。直接意向を伝えなくても、官側が配慮して動く「そんたく」という言葉が社会問題化しているが、園田氏のケースはそんたくを超える直接的な口利きだ。政治家としてあってはならない。

園田博之元官房副長官による口利きの様子

=6月19日の音声データから(抜粋)

◆NPO法人「西宮障害者雇用支援センター協会」寺下篤史理事長

「間違った決算書で税務署が調査を行ったので、間違った結果が出てしまった」

◆協会の寺下勝広顧問

「(税務署から)毎月500万円ずつ払っていけと言われた。それやと(協会が)つぶれる」「この調査はどう思うてもおかしい。ほんまは、こんな税金かけられへんのに、かけてきとる」「再調査をしてほしい」

◆園田氏

「えらい目に遭ったね、本当に」<事務所の女性に対し「(電話帳に)飯塚って書いていない?」と電話番号を尋ね、その場で自ら国税庁に電話をかける>

<飯塚厚・同庁次長=当時=に対し>「(協会は)西宮市から障害者の仕事をずっともらっている。で、すごい喜ばれているわけ、障害者から」「(税務調査は)結果としては間違いだったということが分かった」「脱税も(障害者に渡すべき賃金の)ピンハネもしておりません、ということが書類にできあがって、ちゃんと(税務署に)届けがあるんだけど、税務署は無視して税金払えって迫ってきているらしい。3億近い金を。で、つぶれるわけですよ。そんなお金はないわけだから。だから、もういっぺん再調査をしていただけませんか、というお願いなんだよ」「ちょっとよく調べて。冷静に調べてみて。じゃ明日でも電話ください」

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