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NHK受信料「合憲」判決 押し付けられた「公共」=山田健太

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 6日のNHK受信料をめぐる最高裁判決は、現行の徴収方法を追認する内容で、経営陣は少なくとも表向きは胸をなでおろしているだろう。だが、実はNHKにとって厳しい判決だった。なぜなら、私たち契約者もNHK自身にとっても、司法から「公共」なるものを押し付けられた形になったからだ。

 最高裁は「公共放送事業体としての日本放送協会(NHK)」と言うが、放送法をはじめとするあらゆる法は「公共放送」なるものを規定していない。商業放送たる民放に対比する形でNHKを位置づけるが、そこにいう「公共」は社会一般で使用されている公共図書館、公共事業、公共交通機関……のどれに近いだろうか。最高裁はさらに「公共の福祉のための放送」をNHKに求めた。この表現は放送法1条にもあるし、憲法や数多くの法にも使われているが、具体的に何を指すかは不明だ。

 その結果、それぞれにとって都合のよい「公共」観をもってNHKを規律する結果にならないか危惧される。政府はこれまで以上に公益に資する放送を求めはしないか。政府にとっての公益は、政府益に限りなく近いことがうかがえる。2006年に菅義偉総務相(当時)は北朝鮮による拉致問題を重点的に取り上げるようラジオ国際放送に放送命令を出し、14年などの選挙前には政府方針と異なる番組内容に、自民党が執拗(しつよう)な…

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