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防犯カメラなどに映った人間の歩き方を分析し、容疑者に迫る「歩容認証」という鑑定技術が犯罪捜査に貢献している。最近は人工知能(AI)によるシステムの改善が進み、より正確で迅速な鑑定が可能になった。AIによる新しい犯罪捜査の可能性を追った。【鳥井真平】
●たった2歩で
2008年に奈良県内で放火未遂事件が発生し、翌年に奈良県警から大阪大産業科学研究所の八木康史教授(画像認識)へ、現場周辺などの防犯カメラ映像の鑑定依頼が届いた。しかし映っているのは、容疑者を含む複数の人物が歩いている姿だけで顔ははっきり分からない。「歩き方」だけで容疑者を特定することができるのか。
八木教授は、この防犯カメラ映像をコンピューターに入力。複数の人物の腕の振り方や歩幅、姿勢などの特徴について、別に提供された容疑者とみられる人物の映像と比較して鑑定した結果、「防犯カメラに映っている特定の人物が、容疑者と一致する可能性が高い」と結論付け、逮捕につながった。「歩き方の特徴が分かれば、2歩でも分析できる」と八木教授。50メートル離れた映像でも分析可能だ。
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