プロ棋士を目指して12歳のときに長崎から上京してきた深浦と、同じく12歳のときに青森から上京してきた行方の対戦である。修業のために東京に来た2人の時代と状況は似かよっていて、少年時代に遠く離れた上京は命懸けに近い思いだったに違いないし、厳しい修業時代には将棋に負けて1人部屋で泣いたこともあっただろう。そんな両者の背景を思いながら観戦に向かう電車の中で聴きたくなったのはビートルズの「ロッキー・ラクーン」。それは映画音楽のように観戦の朝の気分にピタリとハマった。
少年時代の修業に耐え一流棋士の地位を築き上げた両者の対戦である。今期A級リーグのここまでの星は深浦2勝3敗、行方2勝4敗と苦しめで、どちらも残留確定となる5勝を目指しての戦いとなっている。戦型は最近の深浦が好んで採用している流行中の片雁木(がんぎ)に進んだ。右銀のポジショニングが自在なのが現代調である。行方も追随して雁木の同形に進む。
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