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坂村健の目

「常識」を問い直す受賞

 先月、医師でジャーナリストの村中璃子(りこ)氏が日本人として初めて、英国の科学誌ネイチャーなどが主宰する「ジョン・マドックス賞」を受賞した。「ネイチャー」は、多くのノーベル賞級の業績を紹介し、自然科学系の研究者にとってはここに論文が載ることが目標になるような世界トップレベルの学術誌だ。

 ジョン・マドックスは、時の権威に逆らうような研究を積極的に取り上げ、議論を喚起するという英国的反骨精神で同誌を育てた名編集長だったという。この賞が与えられるのも「公共の利益に関わる問題について健全な科学とエビデンスを広めるために、障害や敵意にさらされながらも貢献した個人」。実際、今回の候補者リストには、その活動によって死刑宣告を受けたり、投獄されたり、暴力をふるわれたりしたという人の名前が並んでいる。

 未開の地での呪術医との戦いならともかく、先進国でそんなことが起きるものかと思うかもしれないが、過去6年の受賞者を見れば先進国も似たような問題を抱えていることが分かる。

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