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月刊アマ野球

指導者に聞く 「雑用は上級生」で成長 日体大監督・古城隆利氏(48)

 日体大の古城隆利監督(48)が11月の明治神宮野球大会で母校を37年ぶり2回目の優勝に導いた。松本航(3年・明石商)、東妻勇輔(3年・智弁和歌山)のダブルエースを擁しての頂点。上級生が率先して雑用を行い、後輩の面倒を見る「体育会イノベーション」を推し進める古城監督に、取り組みや考え方を聞いた。【江連能弘】

     --遠征での荷物運びや寮の掃除などの雑用を、3、4年生が行うよう2年前から改めた。体育会の伝統ともいえる「上下関係」に一石を投じた。

     ◆監督に就任した時、学生が門限を守らなかったり、整理整頓できなかったりするのが目に付き、正そうと考えた。上級生がしっかりしていた年は成績もいい。強豪・帝京大ラグビー部の岩出雅之監督の著書で、経験や余裕のある上級生に雑用を任せる取り組みを知り、導入した。実際、岩出監督にも会った。1年生は新生活が始まるうえに野球でも雑用に追われるとパンクしてしまう。上級生は後輩の面倒を見ることで人間的にも成長する。「人間力野球」を掲げているが、目指すのはレギュラーではなく後輩に尊敬される人間と考える。「いい上下関係」は必要で、社会に出ても生きる。

     --野球の技術面も積極的に学んでいる。

     ◆横浜高で長年、野球部長を務めた小倉清一郎さんから原理原則を学んだ。例えば、中継プレー。プレー精度を上げるための当事者以外の正しい動き方を教わった。人間性も野球の技術も欠かせない。大阪桐蔭高の西谷浩一監督や慶大の大久保秀昭監督らは同じ昭和44(1969)年生まれ。毎年「44年会」を開いて、情報交換をしている。

     --部員は約170人。大所帯をどう運営しているのか。

     ◆指導者や審判、トレーナーを目指したり、データ分析をしたりするAコースと、選手のBコースがある。Bコースは3軍制を敷いている。春と秋の首都大学リーグ戦と同じ時期に早朝の「日体リーグ」を行い、1軍の試合に出られない選手に実戦を積ませて底上げしている。

     神奈川大学連盟で毎年のように優勝している桐蔭横浜大は、監督が直接すべてを伝えるのではなく、選手同士でミーティングをしている。それを参考に、指示を中心選手から伝える形に変えた。学生に責任が芽生えてきたと思う。

     --37年ぶりの「日本一」の達成感は。

     ◆あまりない。大前提は人間教育。人間的な成長には終わりはないと思う。


     ■人物略歴

    こじょう・たかとし

     1969年生まれ。大分・日田高から日体大に進み、社会人いすゞ自動車2年目の93年都市対抗で4強入り。27歳で引退し、コーチを4年務めた。現役時は野手。2009年、日体大監督にコーチから昇格した。日体大助教。

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