メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

湯川豊・評 『光の犬』=松家仁之・著

 (新潮社・2160円)

情け容赦ない死と輝く生の姿

 読んで、いいようがないほどの強い衝撃を受けた。しばらく、読んだことを忘れようとさえした。黙り込むしかない。しかし、その沈黙のなかに、長篇のさまざまな断片が、語りかけてくる。二度目を読んで、もう一度向いあうしかなかった。

 そのようにしても、この長篇小説が心のなかにすっかり落ち着いたというわけではない。したがって、以下に書くことは、小説の批評とか紹介というものではなく、思いのままの感想ということになりそうである。

 そうなるのは、内容が衝撃的であるというばかりではなく、書かれ方が思いきって恣意(しい)的であることが手伝っているかもしれない。松家仁之氏のこれまでの作品は、構成が緻密であるのが特徴のひとつだった。それが突き崩されて、不規則的であることを恐れず、いま語りたい世界をすべて語ろうと意志しているかのようである。文体は松家氏らしく端整であるのは変らないのだが。

この記事は有料記事です。

残り1059文字(全文1468文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 新型肺炎、国内発生100人超に 北海道や埼玉で新たな感染者 未就学児も 

  2. 中居正広さん、ジャニーズ3月末退所し独立 遺骨手に「ジャニーさん、力をくれ」

  3. 愛子さまが学習院大文学部へ進学 推薦入試合格

  4. SMAP再結成「ゼロではない」 中居正広さん「燃え尽き」否定も仕事への意欲湧かず 

  5. 豪、イスラエルに帰国のクルーズ船下船者、新型肺炎感染を確認 日本側検査で陽性者なし

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです