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全国高校駅伝

男子・佐久長聖、終盤逆転 女子・仙台育英、名門復活(その1)

6区2.9キロ付近、倉敷の八木(左)を抜く佐久長聖の鈴木=平川義之撮影

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 男子は佐久長聖(長野)が9年ぶりに頂点に立ち、女子は仙台育英(宮城)が1993、94年の連覇以来、23年ぶりの栄冠をつかんだ。京都・西京極陸上競技場を発着点に24日行われた男子第68回、女子第29回全国高校駅伝競走大会。佐久長聖は歴代7位、仙台育英も歴代2位の好タイムをマークした。仙台育英は優勝回数を3に伸ばし、歴代2位タイ。前回優勝校は男子の倉敷(岡山)が2位、女子の大阪薫英女学院が3位だった。女子4位の立命館宇治(京都)は入賞回数を21とし、歴代単独トップに立った。女子で仙台育英の2区・エカラレ(3年)は史上8人目の3年連続区間賞獲得で、同一区間に限ると史上4人目の快挙となった。

(スタート時の気象▽女子=晴れ、気温10度、湿度62%、南南東の風0・2メートル▽男子=曇り、気温11度、湿度63%、西の風0・2メートル)(15面にも詳報)

 ◆男子レース経過

 佐久長聖が後半に再逆転した。3区終了時に首位の倉敷と38秒差の2位だったが、4区・本間が区間賞の好走で12秒差に詰め、6区・鈴木も区間1位の快走でトップを奪い返した。1区・中谷、2区・服部も含め4人が区間賞に輝いた。倉敷は1位と32秒差の3位でたすきを受けた3区・ニジオカの区間賞の走りで首位に立ったが、後半伸びなかった。仙台育英は3区のムセンビが19人抜きで4位に浮上し、アンカーの喜早が3位に押し上げた。

雪辱4区、1年生鼓舞

 1年生らしからぬ軽快なストライドで、一気に突き放した。佐久長聖の6区・鈴木は2・5キロ付近で倉敷の八木に追いつき、「自分で優勝を決定づけよう」と約300メートル並走後にスパート。アンカーの山本も首位を譲らず、チームは倉敷に敗れて2位だった前回の雪辱を果たした。

 3区終了時点で首位の倉敷と38秒差は想定内。逆転へ勢いをつけたのは4区の本間だ。ペースを上げ、差を12秒まで詰めた。前回も4区だったが、首位でたすきを受けながら失速。寮の自室に当時の新聞記事を張って悔しさを忘れず、今回は志願して4区を走って「リベンジを果たせた」。鈴木が「本間さんの走りを見て、やるしかないと気合が入った」と明かすように、後続の選手たちを鼓舞する本間の快走だった。

 今年を含め、5年連続5位以内の佐久長聖。強さの背景には恵まれた環境がある。学校近くに1周600メートルの専用クロスカントリーコースがあり、寮の食事は栄養士が管理。地元選手で固めたチームが多い中、その環境が後押しとなり、全国から有力選手が集まる。さらに高見沢監督は「今の子は体が弱くなっている」と体作りを重視。この日は1年生3人が起用されたが、下級生から厳しいレースをこなせる体力をつけさせている。

 全国トップの予選タイムをこの日は3分余り縮め、1区区間賞のエース・中谷は「夢なんじゃないか」と興奮気味。プラン通りの後半逆転勝利に高見沢監督も「全員駅伝だった」と選手たちをたたえた。【新井隆一】

倉敷、猛追しのげず

3区3.3キロ付近、佐久長聖の松崎(右)を抜く倉敷のニジオカ=平川義之撮影

 佐久長聖との一進一退の攻防に死力を尽くしたが、倉敷の連覇の夢はついえた。2年生アンカー・円(つぶら)は2位で走り終えると、顔をゆがめて涙をこぼした。

 倉敷は勝負をかけた前半で優位に立てなかった。1区の北野は佐久長聖と18秒差の3位と健闘したが、2区の名合が32秒差に広げられてしまう。続くニジオカで首位を奪ったが、3区を終えて38秒差では、後半勝負のオーダーを組んだ佐久長聖の猛追をしのげなかった。主将の名合は「自分が差を詰めるか、維持しないといけなかった」と自分を責めた。

 チームは今大会直前に故障者が相次ぎ、名合は膝、北野はアキレスけんを痛め、練習を十分に積めなかった。勝又監督は「自分にプレッシャーをかけてしまったのかな」と指摘する。「連覇は9割9分、難しい」と割り切り、一人一人が力を出し切ることを求めた。

 チーム状態を考えると想定以上の走りで、4区以降も2年生3人が粘った。「総合力でつかんだ準優勝。価値があるし、次につながる」と勝又監督。悔しさを胸に、来年は挑戦者として再び頂点を目指す。【角田直哉】

男子も意地の入賞

 ○…男子の仙台育英は1年生アンカー・喜早(きそう)が大分東明とのラスト100メートルの競り合いを制し、3位をもぎ取った。3区のムセンビが19人抜きで4位に浮上。喜早は真名子監督の「我慢して(大分東明と)ぎりぎりまで並走し、最後で一気に抜け」との指示通り、トラック勝負でスパートした。中継所に向かうバスの中で女子の優勝を知って「良い刺激になった」という。4位だった第61回以来7年ぶりの入賞に「優勝を目指す弾みになった」と手応えを口にした。

北海道勢61年ぶり7位

7位でフィニッシュする札幌山の手の松尾=久保玲撮影

 ○…札幌山の手が7位に食い込み、男子の北海道勢として第7回(1956年)で7位の大野農以来61年ぶりの1けた順位に入った。1区で21位と出遅れたが、3区のケニア人留学生のグレが11位まで順位を上げ、6区・勝浦が区間3位の走りで一時は6位まで順位を上げた。男子の北海道勢の入賞は第17回(66年)の10位(当時は10位まで入賞)の小樽北照以来51年ぶり。区間5位の7区・松尾は「諦めなければ結果はついてくる」と喜び、「本当にすごいことだよ」と涙を流す梶山監督と抱き合った。

大分東明1秒に涙

 ○…前回4位の大分東明はチーム過去最高となる3位を1秒差で逃した。井上監督は「昨年は入賞できればいいかなと思っていたが、今年は3位以内が目標だった」と悔しさを募らせた。全国高校総体5000メートルを制した3区のケニア人留学生・ベヌエルが10人抜きを見せ、前回同様、3位に浮上。5区以降に仙台育英に徐々に差を詰められ、最終7区で逆転された。6区で区間5位の1年生・遠入(えんにゅう)は「来年は1区でいい順位で走って、優勝を狙いたい」と誓った。

 ◆女子

1区5.8キロ付近、競り合う長野東の和田(中央)、筑紫女学園の御崎(右)、西脇工の田中=猪飼健史撮影

長野東、躍進2位

2位争いで競り合う長野東の小林(手前)と大阪薫英女学院の高田=大西岳彦撮影

 トラック勝負に入ると、長野東のアンカー・小林が飛び出した。並走の大阪薫英女学院を引き離し、2位でフィニッシュ。主将・和田は大泣きしながら小林に抱きついた。「みんな粘った。涙が止まらない」。チーム歴代最高成績を前回6位から塗り替えた。

 1区で和田が流れを作った。スタートで飛び出した西脇工・田中を追いながら「予想以上のハイペースなのでじわじわいこう」と冷静に分析。ラストスパートで2年連続区間賞を取ると、2区以降の下級生も区間6位以内と安定感があった。

 チームは前回2区で区間6位の松沢をけがで欠いたが、選手層は厚い。練習では日本選手権1500メートル3位の和田のハイペースに、多い時は10人程度が食らいつく。3000メートルの自己ベストを更新した選手も多く、玉城監督は「知らないうちに(全員の)力が備わってきた」と指摘する。

 2区以降の4人は来年も残る。「(和田が)いなくなるのは大きいが、他の全員でチームを作っていきたい」と小林。新たな歴史を築くべく、次は優勝を狙いにいく。【藤田健志】

大阪薫英、連覇ならず

 ○…史上4校目の連覇を逃して3位の大阪薫英女学院は、1区の出遅れが響いた。1区の主将・竹内は序盤からのハイペース展開に「想定外。付いていってしまい、足が棒になった」と後半に失速し、トップと51秒差の17位。チームは前回優勝メンバー4人が残り、2区以降の区間順位は2位、1位、1位、4位タイと総合力の高さを示したが、仙台育英の背中は見えないまま。安田監督は「1区もつなぎと考えてきたが、1時間6分台で勝つには1区から流れを作れるようにしないといけない」と反省した。


男子区間賞と日本選手1位

1区(10キロ)

 中谷雄飛(佐久長聖)  29分15秒

2区(3キロ)

 服部凱杏(佐久長聖)   8分6秒

3区(8.1075キロ)

 ニジオカ(倉敷)    23分11秒

(5)及川瑠音(一関学院)24分16秒

4区(8.0875キロ)

 本間敬大(佐久長聖)  23分28秒

5区(3キロ)

 小野一貴(倉敷)     8分41秒

6区(5キロ)

 鈴木芽吹(佐久長聖)  14分20秒

7区(5キロ)

 下舘真樹(一関学院)  14分20秒

 ※カッコ内数字は順位


男子歴代10傑

    学校      記録      大会

 (1)世羅(広島)  2.01.18 ★15年全国大会

 (2)仙台育英(宮城)2.01.32 ★04年全国大会

 (3)仙台育英(宮城)2.02.07 ★03年全国大会

 (4)佐久長聖(長野)2.02.18  08年全国大会

 (5)倉敷(岡山)  2.02.34 ★16年全国大会

 (6)世羅(広島)  2.02.39 ★14年全国大会

 (7)佐久長聖(長野)2.02.44  17年全国大会

 (8)仙台育英(宮城)2.02.54 ★04年宮城

 (9)豊川(愛知)  2.02.55 ★12年全国大会

(10)九州学院(熊本)2.03.06  15年全国大会

 ※予選、地区大会を含む。★は留学生を含む記録


佐久長聖(長野県佐久市)

 1964年開校で、95年から中高一貫教育。OBに今年のボストン・マラソン3位の大迫傑、ロンドン五輪長距離代表の佐藤悠基ら。

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