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VXの女たち・正男暗殺

北朝鮮の金正男(キムジョンナム、当時45歳)が2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で猛毒の神経剤VXを使って殺害された事件では、インドネシア人のシティ・アイシャ(25)とベトナム人のドアン・ティ・フオン(29)が実行役として起訴された。「いたずらビデオの撮影だと思っていた」と供述し、「工作員」のイメージからはほど遠い女たち。なぜ、どのようにして謎の多いこの「暗殺」事件に関わるようになったのか。素顔と足跡を追った。

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VXの女たち・正男暗殺

法廷編 解毒剤か、持病薬か

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公判で明らかになった正男の所持薬に関する報告書。VXの解毒作用のあるアトロピンがあったとしている=代表撮影
公判で明らかになった正男の所持薬に関する報告書。VXの解毒作用のあるアトロピンがあったとしている=代表撮影

 リュック一つで空港に現れて殺害された金正男(キムジョンナム)。所持品からは医薬品も見つかっていて、11月29日の公判で分析に当たった化学者が成分を明らかにした。

 オレンジ色の錠剤98錠は、痛風の薬「アロプリノール」だった。青と灰色のカプセル15錠は解熱鎮痛薬の「アセトアミノフェン」、緑のカプセル10錠はビタミンB3のサプリメントといった具合だ。

 特に注目を集めたのが、ふた付きのガラス瓶に入った白い錠剤12錠だ。分析の結果は、VXなどの神経剤に対する解毒作用がある「アトロピン」。これを受け、一部の地元メディアは「正男は解毒剤を所持していた」と大々的に報じた。

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