造園業者石綿労災

「蛇紋岩」庭石加工で肺がん

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庭石などに利用される蛇紋岩=久永直見・愛知学泉大教授提供
庭石などに利用される蛇紋岩=久永直見・愛知学泉大教授提供

 庭石などに使われる「蛇紋(じゃもん)岩」に含まれるアスベスト(石綿)を吸入して肺がんになったとして、埼玉県の造園業の男性(71)が熊谷労働基準監督署に労災認定された。蛇紋岩による石綿健康被害の労災認定は極めて珍しい。蛇紋岩に石綿が含まれていることはほとんど知られておらず、他にも多くの被害者がいる可能性がある。

 蛇紋岩は北海道から九州まで広く分布し、石綿を含むことが多い。資源エネルギー庁によると、近年は採掘量が減っているものの、10年前の2007年には国内で年156万トンが採掘され、セメントの材料や石材として流通している。石綿そのものの使用は労働安全衛生法で禁止されているが、蛇紋岩の使用は認められている。

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