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我らが少女A

/146 第4章 26=高村薫 多田和博・挿画監修

 十日ぶりの本降りの雨が、走り梅雨の寒さを運んできた朝、多磨駅は色とりどりの傘の行列になる。垂れた水滴がホームのコンクリートを濡(ぬ)らし、乗降客の流れとともに靴のゴム底がひたひた、キュッキュッと鳴り続ける。乾燥しているよりは湿気のあるほうが小野の眼(め)は楽で、久しぶりに眼帯を外したらちょっと視野が広くなった。

 午前七時十一分の是政行きが警察学校や警大の教員たちを運んできたとき、小野はその眼で、ひと塊の灰色の…

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