メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

我らが少女A

/146 第4章 26=高村薫 多田和博・挿画監修

 十日ぶりの本降りの雨が、走り梅雨の寒さを運んできた朝、多磨駅は色とりどりの傘の行列になる。垂れた水滴がホームのコンクリートを濡(ぬ)らし、乗降客の流れとともに靴のゴム底がひたひた、キュッキュッと鳴り続ける。乾燥しているよりは湿気のあるほうが小野の眼(め)は楽で、久しぶりに眼帯を外したらちょっと視野が広くなった。

 午前七時十一分の是政行きが警察学校や警大の教員たちを運んできたとき、小野はその眼で、ひと塊の灰色の…

この記事は有料記事です。

残り725文字(全文932文字)

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 女性遺体 新潟市内の20代女性か 知人男性所在不明に
  2. 十日町の殺人死体遺棄 女性の身元判明 死因は不詳 遺体損傷激しく /新潟
  3. 新潟女性遺体 不明前後に知人男性と通話 携帯に履歴
  4. 女性遺体 ダムに浮かぶ衣装ケースの中に 兵庫・加古川
  5. 2歳児保護 見つけた尾畠さん「ぼく、ここ」うれしかった

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです