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受験と私

ミス・インターナショナル日本代表の杉本雛乃さん「頭のスイッチ入るのが好きだった」

「忙しいほうが、時間を見つけてがんばれるタイプだった」と東大受験を振り返る杉本雛乃さん=中嶋真希撮影

 「2018 ミス・インターナショナル」の日本代表に選ばれた東京大学工学部物理工学科3年の杉本雛乃さん。物理の勉強とウオーキングの練習や体作りに追われる忙しい学生生活を送っています。高校時代もセンター試験の直前まで学校行事に参加していたという杉本さん。「忙しいほうが、時間を見つけてがんばれるタイプ」と自身を分析します。「テストで追い込まれると、頭のスイッチが入って、回転が速くなるのがわかるのが好きだった」と話す杉本さんに東大受験を振り返ってもらいました。【聞き手・中嶋真希】 

 毎朝、一緒に小学校に通う親友がいました。彼女は「歩く事典」。公園で虫や植物のことを教えてくれたり、一緒に天文台に行って「雛乃ちゃん、あの星座はね……」って教えてくれたり。1年生の時、彼女が通い始めた習字教室でそろばんも習えると知り、彼女とは違ったことに挑戦してみようと、私はそろばんを習うことにしました。月1回、みんなで問題を解く日があり、毎回1位に。その頃から、私は理科と算数が好きなんだということを自覚するようになりました。

 神戸で生まれてすぐに東京へ移り、小学5年生でまた神戸に戻りました。東京にいる間に通ったのは、自然に囲まれた私立の小学校。読書の時間がたっぷりあったり、日記を書くことが宿題だったりと、昔ながらのことを大切にするアットホームな学校でした。神戸に戻ってからは公立の小学校へ。東京で通っていた小学校のような、のんびりした雰囲気の学校にもう一度通いたくて、同じようにアットホームな神戸女学院中学部を受験することにしました。5年生から塾に通い、中学受験の勉強を始めました。

 塾でテストを受けるようになり、追い込まれると頭の回転が速くなることに気づきました。算数のテストでわからない問題にぶつかり、「あと20分」となった時、スイッチが入るのがわかる。「どうやって解けばいいんだろう」と考えると、すごいアドレナリンが出て、問題が解けるんです。中学入試本番でも、残り20秒というところで間違いに気づき、全部書き直すことができました。終わると、「ああ、暑い」って、顔が真っ赤になる。その感覚が好きでした。

走り回って遊んだ中学時代

 合格して進学した神戸女学院は、自由と自治がモットー。テストの順位も発表されず、のんびりした校風でした。みんなで芝生を走り回ったり、生徒が活動内容を決められるロングホームルームで、大きな水鉄砲と水風船を持ち込んで遊んだり。勉強は、ほとんどしていませんでしたね。高校でがんばればいいと思っていました。日本語を使わない、英語のみの授業があったり、英語ミュージカルのクラブに入ったりしていたので、英語は好きでした。

2018ミス・インターナショナル日本代表の杉本雛乃さん=中嶋真希撮影

 東大を意識するようになったのは、高校1年になってから。東京に戻りたかったし、理系の研究部門に強い東大に進みたいと思うようになりました。塾に通い始めて成績が伸び、「行けるかも」と思ったのも理由の一つです。1、2年生で広い知識を身につけてから専門を決められるのも、魅力でした。

基礎固めに徹した高2

 現役で合格できたのは、高校2年までに基礎を固めたことが大きいです。私は今、塾で生徒に学習指導をするアルバイトをやっています。いろいろな生徒をみていると、2年の終わりの成績で東大に合格できるかどうかがわかります。3年の始まりに理科や社会ができていなくても、英語と数学が取れていれば、受かる可能性が高い。私も、3年生になるまでに基礎を固めておくといい、と先輩に言われました。

 数学は高校1年の頃に「チャート式」を解いて、間違ったところをもう一度解き、間違いがなくなるまで何度も繰り返しました。集中力が長く続くほうではないので、毎日少しずつ。基礎の定石をすべて身につけることが、応用問題を解く上で大事。基礎部分が抜けていると、大きな時間ロスにつながるかもしれないからです。地道に勉強できたのは、数学が一番好きだったからかもしれません。基礎を固めて、テストを受けるとアドレナリンが出て……。これが、すごく楽しかった。

 英語は、話したり聞いたりするのは得意でしたが、文法がだめ。東大の2次試験には、長文を和訳する問題が出ます。これが主語で、これが述語で……、と塾でしっかり勉強しました。センター試験も文法問題が出るので、直前期には専用の問題集もやりこみました。ただ、配点が低いので、そこまで意識はしていませんでしたね。

 苦手だったのは地理。「文系の科目だし、いやだなあ」と、食わず嫌いでした。センター試験で落とした点数の半分以上が地理。今は、食わず嫌いだった自分を反省しています。

 勉強以外でやって良かったことは、入試の事前に、当日と同じスケジュールで過ごしたこと。同じ時間に起きて、同じ時間割で試験を受けて、同じお弁当を食べる。これは、センター試験と東大2次試験の前にもやりました。ミス・インターナショナルの日本代表選出大会でも、事前に何を食べるか、ウオーキングはどう歩くか、目線をどこに置くか、本番を想定して、決めたことをノートに書き込みました。どれだけ本番をイメージできるかが、とても大事です。

試験の合間に調理実習

 勉強一筋ではありませんでした。3年になってからも、学校の行事には積極的に参加。途上国の若者を支援したり、フィリピンに文房具を送ったりする学内のボランティア団体で代表を務めたり、文化祭や体育祭をまとめたり。ボランティア活動は、3年の12月までやっていたんですよ。

 そういえば、センター試験の間も学校がありました。センター試験と東大の2次試験の間に、調理実習や体育の授業まであった。みんなでクッキーを作りました。そうやって最後まで楽しく過ごしたのは良かったです。忙しいほうが、時間を見つけてがんばれるタイプ。いい息抜きになりました。

内面からあふれる美にあこがれて

2018ミス・インターナショナル日本代表の杉本雛乃さん=中嶋真希撮影

 東大に入り、2年生の時に出た「キャンパスコレクション2016」で、華やかな世界を知りました。オーディションの審査員だったのが、2010ミス・インターナショナル日本代表の金ケ江悦子さん。目を見て話し、一人一人と向き合う姿がすてきで、美しさは内面から出るのだということを教わりました。そんな悦子さんの美しさにあこがれて、この大会への挑戦を決めました。東大には、起業したり、ミュージカル俳優をやっていたりと、さまざまなことをしている学生がいて、私も何かに挑戦してみたいという気持ちもありました。

 私は、日本代表選出大会で優勝したけれど、これは日本代表になる資格を得たに過ぎないと思っています。これからも大学の勉強をがんばりながら、もっと日本のことを知って、代表の名にふさわしい女性になりたいです。私は大学1、2年生の頃、英語スピーチをするサークルに入っていました。来年の世界大会では、さまざまな活動や舞台上でのパフォーマンスで日本の良さをアピールするだけでなく、私自身の思いをスピーチで世界に伝えたいです。大学で男性の多い環境で過ごす中、女性の活躍の大切さを感じるようになりました。女性の背中を押してあげられるような人になりたいです。

 4年生になると、本格的に研究が始まります。ミス・インターナショナルに挑戦したことで、今まで見られなかった世界をたくさん見させてもらっています。この経験は、研究の世界でも必ず役に立つに違いないと信じています。日本代表としての活動と、研究を両立していきたいです。


 すぎもと・ひなの 1997年3月、神戸市生まれ。東京大学工学部物理工学科3年。2017年10月に行われた「2018ミス・インターナショナル日本代表選出大会」で日本代表に選ばれる。来年の世界大会に向け、地方創生をテーマにPR活動を行っている。

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