メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

我らが少女A

/147 第4章 27=高村薫 多田和博・挿画監修

 浅井隆夫は合田と別れたあと、頭が火を噴くほど思いつめる。自分はいまなお世間を甘く見ているのかもしれない。事件から十二年も経(た)ち、かつての捜査責任者もいまは一線を離れているというのに、いざ相対してみると、かつてと同じ冷徹な視線があり、いまなお丁寧な言葉遣いで容赦ない事実を突きつけてくる。警大にいても、その心身も迷宮入りの事件への眼差(まなざ)しも、けっして緩んではおらず、たまたま近づいてきたかつての参考人浅井忍の父親を、食虫植物が虫を捕食するようにして、すかさず捕まえている。

 一方、捕らえられた虫は自分がいかにも無防備だったと反省してみるが、すでに遅い。忍が大宮の歯科技工所…

この記事は有料記事です。

残り674文字(全文966文字)

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 訃報 ソウルの女王 アレサ・フランクリンさん76歳
  2. ボーイング777 次期政府専用機にも選定された大型機
  3. 鳥栖 中1いじめ、謝罪の市 提訴で態度一変「知らない」
  4. トランプ氏 「日本で私は英雄」米テレビで主張
  5. 世界の雑記帳 トランプ米大統領、暴露本出版の元側近と泥試合

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです