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我らが少女A

/147 第4章 27=高村薫 多田和博・挿画監修

 浅井隆夫は合田と別れたあと、頭が火を噴くほど思いつめる。自分はいまなお世間を甘く見ているのかもしれない。事件から十二年も経(た)ち、かつての捜査責任者もいまは一線を離れているというのに、いざ相対してみると、かつてと同じ冷徹な視線があり、いまなお丁寧な言葉遣いで容赦ない事実を突きつけてくる。警大にいても、その心身も迷宮入りの事件への眼差(まなざ)しも、けっして緩んではおらず、たまたま近づいてきたかつての参考人浅井忍の父親を、食虫植物が虫を捕食するようにして、すかさず捕まえている。

 一方、捕らえられた虫は自分がいかにも無防備だったと反省してみるが、すでに遅い。忍が大宮の歯科技工所…

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