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年越しそば×下町 涙もすすった青春時代

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イラスト 佐々木 悟郎
イラスト 佐々木 悟郎

 荒川と隅田川に挟まれ、「島」と呼ばれる町に小さなそば屋がある。1年も残りわずかになった昼下がり。かつて島の職人だった倉田敏夫さん(77)が少し早い年越しそばを注文した。

 ひしめき合っていた中小の工場や鍛冶屋は減り、働く男たちの姿は少なくなった。だがこの店のそばを食べると、貧しい境遇に泣いた若い頃を思い出す。

 東京都足立区で7人きょうだいの長男に生まれた。終戦直後の生活は苦しく、「働け」という父の一言で中学校には行けなかった。

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