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我らが少女A

/149 第4章 29=高村薫 多田和博・挿画監修

 息子のハイツでは寝ることもできず、浅井隆夫は雑誌とパソコンしかない仮住まいのような部屋で当てもなくスマホの画面をスクロールし続ける。午前零時の戸外は依然雨の音しかない。いつの間にか人間の暮らしの退いた住宅地はゾンビの潜む廃墟になり、瞼(はいきょ    まぶた)が落ちかけた眼(め)の奥では、青白い液晶画面にオーブが飛び始めて何かの夢に誘われ、ハッとして眼をこする。

 そうだ、どこかをほっつき歩いている忍に、親が来たことを知らせるのも手か。やっと一つ思い至って、眼に…

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