元旦主筆論文

カーテンを開けて 小松浩

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 「互いを知らず、理解しあえないなら、どこに平和があるのか。互いに切り離され、相手に学ぶことも許されないなら、どうやって共存できるのか」

 冷戦下の1957年、スエズ危機解決に尽力してノーベル平和賞を受賞したカナダの政治家、ピアソンの言葉だ。それから60年。相互理解を阻む壁はむしろ高く、厚くなった。あらゆるものごとを勝利か敗北か、栄光か屈辱かで色分けする思考に、世界が染まっているように見える。

 「自分ファースト」がいきすぎると、人々は世界を自分が見たいようにしか見なくなる。相手のうそは糾弾しても、こちら側のうそは気にしなくなる。フェイクニュースがはびこるのも根っこは同じだ。

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