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我らが少女A

/150 第4章 30=高村薫 多田和博・挿画監修

 【あらすじ】池袋で殺害された上田朱美は十二年前の未解決事件に関わっていた。警察の再捜査が始まり、当時の被害者栂野節子の周辺人物の中に浅井忍の名が浮上する。かつての捜査責任者合田の元同僚浅井隆夫の息子だった。その忍が合田と接触を図ろうとしている。

 小平西高の門扉の一部。校庭の錆(さ)びたゴールポスト。電柱の貼り紙。ゲーセンのプリクラ。UFOキャッチャー。JRの高架下。凧(たこ)。犬。通行人の後ろ姿。駐輪場の自転車。路地の縁台。ドラム缶。西武新宿線の電車。小平駅前のケンタッキーの看板。まるで忍の頭の中身のように、何を撮りたかったのか分からない散漫なスナップが次々に現れる。行きずりの事物に眼(め)が留まると同時にカメラを向け、一体化しようとしてはじかれた先にはまた別の事物がある、その繰り返しだ。

 女子高生の写真が増えてくる。数十メートルも離れたところから撮られた少女たちは、目鼻立ちも特定できず…

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