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我らが少女A

/152 第4章 32=高村薫 多田和博・挿画監修

 合田はこれまで何度も同じ場所に立ち、ガラスに映る自分の姿と背後の道路とその並びの家、さらにその先の野川公園の西門のつくる一幅の風景を眼(め)に焼き付けてきたが、いまはちょうどジョギングの男が一人、西門を入ってゆく姿がガラスに映っている。それに見入りながら、合田はその朝もまた、あらためて確信するのだ。事件前に浅井はこうして見るつもりのなかった何かを見たのではないか、と。またさらに、栂野節子もリビングのなかからそれを見ていたのかもしれない。そして、真弓や上田朱美も。

 もちろん、合田は十六歳の浅井忍が二台目の携帯電話を隠しもっていたことは知らない。今朝、まさにその携…

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