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プロに聞く受験2018

化学編 「勉強をやっていれば、いつか花開く」

受験生を励ます中村雅彦講師=横浜市で2017年12月28日、浜名晋一撮影

 駿台予備学校で受験生を指導するプロの講師5人に受験本番直前の勉強法や心構えを聞く「プロに聞く受験」。化学編では講師歴30年以上のベテラン、中村雅彦講師に話を聞いた。中村講師は受験生に対し「勉強をやっていれば、いつか花開く」と激励した。【聞き手・浜名晋一】

単に覚えるという勉強はダメ

 --入試直前のこの時期、どのような勉強法が有効でしょうか。

 センター試験では理系の場合、2015年度より科目が化学1から化学に変わりました。14年度以前はどうしても化学1という狭い範囲の中で出題されていたので、それに合わせた勉強が必要でした。しかし、今は化学の全範囲を勉強すればいいので、今まで通りの勉強をきちんと続けていくのがいいと思います。

 ただ、センター試験の化学は年々、平均点が下がっていて、難しくなっています。思考力を要する問題が以前に比べると多く出されるようになっているし、それも踏まえた上で、60分という試験時間内で配分を考えて、問題を解く練習もしておかないといけません。

 --やはり過去問を解くことがメインになりますか。

 大学によって特徴があって、京都大は1番、2番、3番、4番のうち、3番は構造決定などの有機化学の普通の問題、4番は有機化学の天然物・高分子が必ず出題されます。他の大学と違うのは有機化学、特に天然物・高分子を重視しているところです。このように、それぞれの大学に合った勉強の仕方があるわけですから、過去問をやることです。

 過去問を何年分もやると、それをやってない生徒と比べると、絶対に差が出ます。東工大もすごく変わっていて、紛らわしい正誤問題がずっと出題されています。特に近年はその傾向がますます強くなっています。これは練習しておかないと、入試本番では対応できません。そういう練習はちゃんとしておいた方がいいでしょう。

 大学によって特徴はありますが、(予想が)外れたら終わりという勉強法はやめた方がいいでしょう。化学全般にわたって勉強をして、その中で、大学の傾向も合わせてやっていく必要があります。志望校によって傾向は違いますから。

 今年度のセンター試験で、どこが難しかったかというと、先ほどお話ししたように知識重視の問題ばかりでなく、考えて解かないといけない問題が急増したからです。そのために平均点が下がっています。

 それを踏まえるならば、ただ単に覚えるという勉強は、なおいっそうだめです。知識を頭の中に入れるにしても、覚えるだけのやり方ではだめだと思います。やはり「なぜ」ということを聞かれた時に答えられないようでは、終わりです。ちゃんと原理や法則つまりは理屈を頭に入れていけば、遠回りのように見えますが、効率はいいし、本当に化学の力も付きます。

 --具体的にはどのような勉強法が役に立ちますか。

 教科書はすごく大事です。まずは教科書をきちんと読むことです。例えば反応式が出てくれば、「ああ、反応式が出てきたから、これを覚えよう」というだけではなく、前に同じような反応式があったとか、よく似ているなとか、共通点はないかとか、時間はかかるのですが、そういうことをしていくと全体が見えてきます。同じような反応式をいくつも覚えてもしようがありません。

 一つ一つ覚えていこうということではなくて、例えばある金属に関する現象が別の金属でも同じように起こっているということを、考えることが大事だと思います。ただ覚えるだけでなく、いつも考えながら教科書を読む方が、絶対頭にも定着するし、力にもなります。その際に、参考書や問題集に手助けしてもらうことも必要でしょう。

身の回りの現象を化学しよう

 --センター試験の難易度が上がっているとのことですが、出題の傾向はどうでしょう。

 近年は身の回りの現象を化学の視点から捉える問題が必ず出るんです。新聞やテレビに出てくるような話でも、高校で学習するような化合物であるとか化学現象として起きていることがありますから。普段から気を配っている方がいいでしょう。

 例えば、GABA(ギャバ)です。「ガンマ・アミノ・ブタノイック・アシッド」と言うのですが、「ストレスが解消される」とか「勉強の効率が上がる」とかうたって、チョコレートなどに入っている物質ですが、実はこれも単純な化合物なんです。

 アミノ酸の一種なんですが、慶応大医学部でも出題されています。普段からそういうものに対して、ボーッと見ている生徒は何も思わないでしょうが、ネットなどで調べてみて、学校で習ったことに毛が生えた程度のことだと理解すれば、力につながります。普段からそういうことに気を配っているのは大事だと思います。

 --受験生へのアドバイスをお願いします。

 勉強していくことで自信が持てます。基本的には勉強を怠らないで、必ず受かるんだという強い気持ちがあれば、自信にもつながるし、不安が解消されると思います。今、センター試験では化学の全範囲が出るわけですから、過去問分析も抜かりなくやる、いつもと違う傾向の問題が出たとしても、ちゃんと勉強していれば、不安になるようなことは絶対にないと思います。

 不安になるのは「あそこのあたり、勉強してないから、出なければいいな」とか思うからです。不安をなくすためにも勉強はきちんと続けていってほしいですね。

 特に高校生に言いますが、できるようになる時には、急にそうなるんです。模試で全然、化学ができなくて、本番が近づいた時に、大丈夫かと思うような生徒が突然、開花することがあります。頭の中でこなれていないものが、ある分野と別の分野がつながったり、自分の中で定着したりすれば、急に実力が伸びるんです。

 私の関わっている「東大実戦模試」「東工大実戦模試」などがE判定で、普通に考えたら受からないだろうという生徒でも、2月になったら受かることがあるわけです。実はその間に激変したからです。その生徒が勉強を続けたことで、急に分かりだすんです。物理や化学、理科にはそういう傾向があると思うんですよ。

 勉強をやっていれば、いつか花開くという気持ちを持てば、必ずどこかの時点で成績は上がります。最終的には伸びるという確信を持つことが大切です。今、大丈夫かなと思っても、やっていれば、そのうちに何とかなる可能性があるということです。

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