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縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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AIと生きる/5 ノリ養殖、ドローンの目 赤潮・病害…空から監視

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ノリを摘み取る森田政則さん。昼夜を問わず船を出すが、冷たい風や雨が吹き付ける冬は手足の感覚がなくなる時もある=有明海で昨年12月
ノリを摘み取る森田政則さん。昼夜を問わず船を出すが、冷たい風や雨が吹き付ける冬は手足の感覚がなくなる時もある=有明海で昨年12月

 佐賀県沿岸部の有明海には、秋から春にかけて約30万枚のノリ網が畑のように浮かぶ。寒風が吹き付ける沖合で摘み取り作業をしていた佐賀県太良町のノリ漁師、森田政則さん(54)は「色落ちがすごか」とつぶやいた。プランクトンが多く、水温が低かったためか、黒々と成長するはずのノリは緑に変色していた。

 真っ黒に日焼けした表情はさえない。この海で、高性能カメラを搭載したグライダー型ドローンを飛ばす実験が始まっている。

 焼きノリは「ギフトの王様」と呼ばれた時代があった。最大約6メートルの干満差を利用し、干潮時にノリ網が海から露出してうまみが凝縮する有明海産は重宝された。だがバブル崩壊でお歳暮を贈る人が減って価格が下落。今年度、県内のノリ漁師は820人となり、ピーク時の1971年度から7割減った。

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