連載

中村文則の書斎のつぶやき

芥川賞作家・中村文則さんが、いろいろな場所の「書斎」から、さまざまなことをつぶやきます。

連載一覧

中村文則の書斎のつぶやき

写真撮影 まるで拷問?

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

 小説家の仕事は小説を書くことなのだけど、新刊のインタビューなどで、よく写真を撮られる職業でもある。

 外で撮影になると、通行人がやはり見てくる。「芸能人が来てるの?」みたいに視線を向けられるが「ん? 誰? 知らないな。何だあの目の下のクマは。エイリアンか?」という顔をして通り過ぎていく。やはり、恥ずかしい。小説家は基本的に引っ込み思案なのに、何でこんなことをしなければいけないのか、とよく思う。

 カメラマンさんに「笑ってください」と言われても、何も面白くないのに何で笑わないといけないのか。「カメラをにらんでください。挑みかかるみたいに」とかも言われるが、カメラを持った油揚げみたいなおっさんに、何で挑みかからないといけないのか。「憂い顔というか、暗い感じで……そう、そう! いいですね!」と言われた時は、別に普通の顔をしていたのでショックだった。

この記事は有料記事です。

残り1125文字(全文1500文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集