昨秋、江戸時代から続く由緒ある名跡を七代目として継いだ笑福亭松喬(しょきょう)が、襲名披露興行で全国を回っている。上方落語の伝統へのこだわりと、柔軟な創意工夫のセンスを併せ持つ実力派で、次代を担う看板と期待される存在だ。
襲名披露は昨年10月、大阪・道頓堀の大阪松竹座で始まった。松喬は「初天神」(昼の部)と「三十石」(夜の部)を披露。「三十石」は、かつて京-大坂間を行き来した三十石船の道中をスケッチした噺(はなし)で、大舞台での演目に選んだ理由を、「やっぱり大阪弁で聴いてほしいし、上方のテリトリーの噺だと皆さんに思ってもらいたかった」と話す。江戸落語でも演じられるが、本来は大坂からの伊勢参りの帰路を描いた古典。「本家」を自負する松喬は、東西の人気落語家が集う博多・天神落語まつり(昨年11月)でも披露し、今後の全国公演でも手がける予定という。
兵庫県出身の56歳。1983年、上方落語四天王の一人、六代目笑福亭松鶴(しょかく)の弟子で、古典の名手として知られた先代(六代目)松喬(当時・鶴三(かくざ))に入門し、笑三(しょうざ)を名乗った。87年、三喬に改名。下町の長屋にいそうな親しみやすいキャラクターで、特におっちょこちょいな泥棒が登場する滑稽(こっけい)噺を得意としたことから「泥棒三喬」の異名も。「楽しくて笑いが多い」という上方落語ら…
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