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首都直下

特措法活用されず 緊急対策区域、計画未策定

首都直下地震緊急対策区域

 国が首都直下地震対策特別措置法で「緊急対策区域」に指定した1都9県の309区市町村のうち、同法に基づき緊急輸送道路を整備したり、燃料備蓄を増やしたりする計画を作った自治体が一つもないことを、内閣府が毎日新聞の取材に対して明らかにした。区域指定から約3年9カ月がたつのに特措法が生かされていないことに、自治体からは「国は説明不足だ」と声が上がっている。【金森崇之】

 特措法は東日本大震災の被害などを受け、今後発生が予想される首都直下地震対策を推進するため、2013年12月に施行された。政府は翌14年3月に緊急対策区域を指定。区域となった309区市町村と1都9県は、重点的に防災対策を進める必要があり、自治体ごとに地震に備えた対策計画を作ることができる。

 例えば309区市町村は、「特定緊急対策事業推進計画」を作り国に認められれば、建物内に現在の法律で認められた以上の燃料を備蓄できる。さらに、本来の目的以外には使えない公共施設を避難所に転用することも可能になるが、全く活用されていない。

 また、309区市町村のうち、国の重要施設や企業の本社が集まる東京都心の千代田、中央、港、新宿区は水道などライフラインの耐震補修や、帰宅困難者対策を重点的に進めることが必要な区に指定された。この4区が「首都中枢機能維持基盤整備計画」を作れば、街の再開発などを行う際、物資輸送がしやすくなるよう特例で道路を拡幅したり、一時避難などに使える公園を整備したりすることができるようになるが、計画を作った自治体はない。 東京都港区の防災課は「特措法で具体的にどんな防災対策ができるのか分からず、動けない」という。

 ほかに特措法に基づき自治体が作ることができる計画には、1都9県が住宅の耐震化や防災施設整備などの目標を定める「地方緊急対策実施計画」がある。しかし、計画を策定しているのは千葉、神奈川の2県にとどまる。

 国は新年度予算案に1000万円を計上し、自治体が求める支援策の把握に取り組む予定だ。

財政措置なく実効性に疑問

 東京都心南部で発生すると、最大で死者2万3000人、家屋の全壊・焼失は61万棟と想定される首都直下地震。全域が緊急対策区域になったが、「地方緊急対策実施計画」を策定していない東京都は、その理由として特措法には自治体への財政措置が盛り込まれていないことを挙げている。

 都防災計画課は「財政上の配慮をお願いしたい。地震に対しては既に地域防災計画などを定め、対策は進めている」と特措法の実効性に疑問を呈す。

 明治大の中林一樹特任教授(都市防災学)は「特措法は緊急対策に必要な規制緩和には目を向けているが、自治体への財政支援がなく活用されていない。首都直下地震は首都圏のどこかで起きる。各自治体の課題解決に使える交付金を創設するなど、柔軟に緊急対策を推進すべきだ」と強調する。【金森崇之】

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