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初営業から9日後の昨年10月12日。互助交通(東京都墨田区)のドライバーの「モモちゃん」こと、宇都宮桃子さん(24)は初めて1人で営業に出る朝を迎えた。本社1階の車庫で入念に車体のチェックをする。
計器に異常がないか。ドアやトランクはきちんと開閉するか。ベテランなら10分で終わる作業に30分もかかった。午前7時40分の点呼が終わると、車庫にどことなく緊張感が漂う。その場を代表して本社営業所長の山田哲夫さん(56)が口を開いた。「とにかく無事に帰ってきてよ」。無線機を搭載していないので、本社で状況を把握できないのだ。午前8時。同僚たちが見守る中、モモちゃんの車が発進した。
全国30万人のドライバーのうち、女性は約2%の7000人。単純に計算すると、タクシーに100回ほど乗っても2、3回しか遭遇しない。それくらい女性ドライバーは珍しい。互助交通も、モモちゃんたった一人。当の本人に「女性だから」という気負いはないが、そもそも若手の比率が低い中、若手女性にどんなサポートをすればいいのか、会社は手探りだ。
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