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我らが少女A

/158 第5章 4=高村薫 多田和博・挿画監修

 特命班の狙いどおり、上田朱美が重要参考人になっていることを告げられた真弓は、こうしてあらためて自身の記憶を掘り返し始めたが、刑事たちの予想に反して、真弓がそれを他言する気配はいっこうになかった。

 現に、刑事たちは日を置かずして、浅井忍の動きを口実に多磨町の栂野雪子を訪問したが、その口ぶりや表情からは娘から上田朱美の話を聞いた様子はうかがえず、何かあったのかと逆に尋ねられる始末だった。多磨駅の小野雄太も、栂野真弓の連絡先を尋ねてきたときの浅井の様子を刑事に話すときの表情にとくに変わったところはなかったし、近況伺いで訪ねてみた上田亜沙子も然(しか)り。最近は娘の死から少しずつ立ち直ってきている様子さえ見受けられた。

 つまり、真弓は上田朱美が捜査対象になっていることを、どうやら周囲に話していないということで、これに…

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