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「いつかは来る」と覚悟はしていたけれど、実際に「その時」が来ると、やっぱり落ち込んだ。互助交通(東京都墨田区)のドライバー、「モモちゃん」こと、宇都宮桃子さん(24)は、お客さんに怒られた。
1人で営業を始めて2日目。昨年10月13日のことだった。初日を無難にこなせたので油断があったのかもしれない。小雨の降る午後3時半、人形町駅(東京都中央区)の辺りで2人組のビジネスマンを拾った。行き先は上野駅。まだ地理に明るくないので、会社の指導通り「カーナビに入れてよろしいですか」と確認し、了承を得た。目的地まで3キロほど。画面でルートを確認すると、北に向かうだけに見えた。
秋葉原に差し掛かった時、電子音が「斜め右方向です」と告げた。斜めに右折して首都高の高架下の道に入るべきだったが、何を間違えたのか鋭角に曲がり、手前の道に行ってしまった。カーナビがルートの再検索を始めたからか、2人組も異変に気づいた。「あれっ、あれ?」との反応。頭が真っ白になり、「申し訳ありません」の一言がうまく出ない。
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