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我らが少女A

/159 第5章 5=高村薫 多田和博・挿画監修

 浅井忍は半年ぶりにコンサータ三十六ミリグラムとマイスリー十ミリグラムを服用して二十時間も眠りこけ、さらに何時間も眠気の泥に埋もれ続ける。おかげで、父親が自分のために昔の捜査責任者を相手に狂おしい怒声を発していることなど知らないし、想像することもない。

 十日ほど前、ふいに無人のジェットコースターがゴトリと動き出すようにして栂野真弓の名前が額の奥で点滅し始めたのは覚えている。思い立って多磨駅まで足を運び、相変わらず脳味噌(みそ)まで筋肉で出来ているような小野と相対して無駄な時間を過ごすうちに短距離毒拡散弾を浴びて五万ダメージ。そのあと警大まで行ったら合田刑事の置き手紙が転がり込んできてちょっとダメージ回復したが、そのあとが砂嵐といった感じ。

 それから、職探しができない焦りが頭のなかで極大化して、大宮駅前の精神科のクリニックへ駆け込んだのが…

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