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大学入試分析2018

「新テスト見据えた新しい変化も」 駿台教育研究所・石原賢一部長

受験の心構えを説く石原賢一部長=東京都内で2017年12月22日、浜名晋一撮影

 2018年度大学入試センター試験(1月13、14日)まで、あとわずか。受験生にとっては、これまでの努力の成果が問われる時期となった。18年度入試の特徴や、受験に際しての心構えなどについて、駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長に聞いた。【聞き手・浜名晋一】

    高い理系のハードル

     --2018年度入試の動向はどうですか。

     17年度と同様で、変化は少なく、やはり文系の志望者数が多くて、理系が少ないという傾向が続いています。基本的に今のカリキュラムは理系に進むハードルが高いのです。理系の場合は、センター試験までに仕上げなければいけない分量が多いのです。だから敬遠しているのです。

     やはり、一番大きいのは入試の負担です。この分量を12月までに終わらせることは、無理だなと思う。それが大きいです。文系の中で人気が高いのは経済学、商学部、経営学部です。これらは文系の中で理系の要素が強い分野なので、流動性が高いわけです。

     --センター試験に代わる大学入学共通テスト(新テスト)が20年度から始まります。

     解答形式は従来のままですが、既にここ数年、17年度の日本史Aの「妖怪ウオッチ」とか、15年度の地理Bで出された「雪国の風景としてふさわしくない写真を選びなさい」など、新テストで言われている「実生活に根ざした出題」という新しい変化がすでに見られます。

     試行調査(プレテスト)で出題された正解を複数選ぶような問題は18年度には絶対出ませんが、出題の中身は徐々に変わってきています。センター試験は1990年から始まって、30年近くになりますが、改善や工夫は加えられています。新テストではさらに出題や解答の形式を大きく変えようとしているわけです。

     --国公立大の志願状況はいかがですか。

     東大も京大も模試動向では志願者が大幅に増える状況ではありません。前年度並みか、むしろ減少傾向にあります。増えているのは、その2大学に次ぐ、東工大、一橋大、阪大です。これらが非常に増えているのが特徴です。

     東大、京大の受験生でどの層が減少しているか見ると、東大、京大にちょっと届かないかな、という成績レベルが減っています。より現実的に動いているという感じですね。すでに秋の模試段階で、あきらめている受験生が多いかなと思います。

     もう一つの特徴は東北大の志望者数が増えているということです。東北地方よりも、北関東エリアの志望者が増えています。東北大が研究に力を入れているということが周知されてきたことと、(世界最高水準の教育研究活動を見込める国立大学として文部科学省が指定する)「指定国立大学法人」に東大、京大と共に選ばれたことが話題になり、受験生にも研究力が国からも認められたと受け止められたのでしょう。

     私立大でも難関大は減少傾向ですが、その中で増えているのは上智大です。TEAP(アカデミック英語能力判定試験)利用型入試を選ぶ受験生の増加が、その要因です。TEAP自体の受験者数も倍増しています。TEAPは上智大が主導して始めた英語外部試験なので、その効果でしょう。

     首都圏の高校の教諭に複数回答可でアンケートを行ったのですが、英語外部試験の中でどれを生徒に勧めるかという問いに、9割が英検と回答し、75%がGTEC(中学・高校生対象のスコア型英語テスト)、35%がTEAPと回答しています。首都圏の私立大では上智大のほかに、早稲田大が採用していることも大きく影響しています。

     立教大、成城大、明治学院大、大東文化大なども増えています。一方、入学定員の厳正化という国の方針を受けて、合格者の絞り込みが行われ、早稲田大は17年度入試で、合格者数を2000人ほど減らしましたが、そのように軒並み難関私立大の合格者が減少し、それに伴って浪人生も増えました。受験生から見たら、先輩たちの合否状況を見ていますし、高校の指導も弱気になっています。(難関私立大の志願者減は)その相乗効果ですね。

     --新設学部で注目されているところはありますか。

     新設ではありませんが、注目されているのは首都大学東京が都市教養学部を人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部など以前の名称に戻して再編することです。学部内容が分かりやすくなった効果で、志望者の増加傾向が見られます。

     また、例えば諏訪東京理科大(長野県)など私立大学の公立化ですが、長野県では長野大が公立化され、長野県立大も新設されましたから、従来の長野県看護大と合わせて公立大がいきなり四つになりました。長野大などでは、公立化の効果で、学費が安くなり、富山や新潟など近隣の県からも受験生が集まった結果、レベルアップにより地元の受験生がはじき飛ばされるという状況も起きています。

     医学部人気も少し落ち着いています。特に首都圏の医学部人気の沈静化が目立ちます。(医学部進学は)保護者の意向も大きく働きますが、首都圏では医学部にこだわらなくても、就職はあるので、無理して最難関の医学部を目指す必要はないという考えが起きています。就職状況が厳しい地方では医学部志望者数は減っていませんが。

    志望校は迷わずに早く決めよう

     --受験生の心構えとして必要なことは何でしょう。

     今回はセンター試験の日程が早い。終わってから私立大の一般入試や国公立の個別入試まで時間があるので、早く気持ちを切り替えて、次のステップに進むことです。センター試験で失敗してハンディキャップがあっても、取り返せます。

     難関大を志願している受験生にとっては、少数激戦です。難しいことをこれからやろうとするより、みんなが得点を取れるような問題をしっかり押さえていけば、実質倍率はそんなに高くありませんから、合格につなげることは可能です。

     志望校は迷わずに早く決めることです。土日にセンター試験を受けた後、週明けにはもう志望校を決めた方がいいですね。各大学の志願倍率の中間発表を見ても、あまり意味がありません。志望校が固まれば、過去問も真剣に取り組めます。センター試験で第1志望に必要な得点が取れた人はそれで押し切ればいいし、失敗して志望校を変える場合でも、早く決めることです。早ければ早いほど、スタートダッシュがよくなります。迷っていても仕方がないということは言っておきたいことです。

     センター試験に失敗した場合、どう考えるかですが、日ごろの模擬試験で合格ラインに達していれば、思い切って勝負したらいいし、厳しいと思ったら、もう1年くらい浪人して再チャレンジするという考えでも構いません。試験への経験値は積んでいるわけですから。

     4、5月ならサボっても残り100、200日に取り返しがつきますが、この時期にスマホやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に気を取られるのは最悪ですね。さらに冬季五輪があります。ついテレビを見てしまうかもしれません。大きなイベントがあると世間が騒がしくなるから、気持ちが散漫にならないように、要注意ですね。

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