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社説

平昌五輪開会式と首相 むしろ出席した方がいい

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 韓国で2月9日に行われる平昌冬季五輪の開会式に安倍晋三首相は出席すべきではない、という意見が政権内で強まっている。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が慰安婦問題の日韓両政府合意について「受け入れは困難」などと表明したことに抗議する意味合いがある。

 文氏は、合意に基づき日本が支出した10億円の使用を保留して韓国政府が同額を用意すると発表するとともに日本に自発的な謝罪を求めた。

 日韓合意が「最終的かつ不可逆的な解決」をうたっている以上、日本政府が「更なる措置を求めることはまったく受け入れられない」との立場を取ることは理解できる。

 しかし、そうだとしても、「平和の祭典」に政治的な対立を持ち込むことには慎重であるべきだ。

 もし、首相が開会式に欠席すれば、隣国同士の日韓の冷え込みを内外に強く印象付けることになるだろう。日韓の離反が鮮明になれば北朝鮮を利するだけだ。

 韓国は首相に開会式への出席を要請してきた。世界から注目される五輪は韓国にとって晴れ舞台だ。

 むしろ、首相はホスト国に敬意を表し、開会式に出席することで、韓国に対する立場を強めることができるのではないか。

 北朝鮮の核・ミサイル問題では日韓の連携が不可欠だ。分断を狙う北朝鮮に対し、日韓協調を示すことができるだろう。

 仮に朝鮮半島に緊迫した事態が起きれば在韓の邦人退避などで韓国の協力が欠かせない。そうした面での地ならしにもなるはずだ。

 4年前のソチ五輪ではロシアの人権問題に抗議して欧米首脳が開会式への出席を見送る中、首相は対露重視の姿勢から出席した。外交には国益を重視する戦略性があっていい。

 五輪は、平昌を皮切りに2年後の夏は東京、4年後の冬は北京とアジアでの開催が続く。

 1988年のソウル、2008年の北京と近隣諸国での五輪の開会式には当時の首相が出席してきた。

 韓国に言うべきことは言うが、過剰反応せず慰安婦問題と五輪を切り分ける冷静な対応が必要だ。首相が開会式に出席すれば、そうした日本の外交姿勢をアピールすることにもなろう。

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