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科学取材の経験が豊富な青野由利専門編集委員のコラム。

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犬研究の今=青野由利

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 今年は戌(いぬ)年。そこで今回は最近の犬研究の動向から。安直というなかれ。なにしろ進展著しい分野なのだ。

 たとえば「犬の起源」。「オオカミの祖先が飼い慣らされたんでしょ」というのが一般的な答えだが、問題はいつ、どこで、どんなふうに?

 科学者の間にも諸説ある。化石からみて1万5000年前なのか、3万5000年前なのか。人の残飯を食べるようになったのが始まりなのか、別の理由か。誕生したのは欧州か、アジアか--。研究ライバル同士が「停戦」を宣言し、協力することにしたという話さえあったから、競争の激しさがうかがえる。

 そこに一石を投じたのが一昨年、英国チームが論文発表した「二つのルーツ」説だ。古代の犬と現代の犬、それにアイルランドの遺跡から見つかった約5000年前の犬の骨のDNAを比較し、犬は1万4000年以上前に、東アジアと欧州の2カ所で、別のオオカミ集団から生まれたのではないかと結論づけた。

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