【ヨハネスブルク小泉大士】トランプ米大統領がアフリカ諸国やカリブ海の島国ハイチなどを「くそったれ国家」と中傷する発言をしたことについて、アフリカ各国は12日、「人種差別だ」と一斉に猛反発した。謝罪を求める声も上がるなど、波紋が広がっている。
米メディアによると、トランプ氏の発言は、ホワイトハウスで移民制度について議員らと協議した際のものとされる。AP通信によると、アフリカ連合(AU)の報道官は発言について、「多くのアフリカ人が奴隷として米国に連れて行かれたという歴史的事実に照らせば、到底受け入れられるものではない」と指摘。ロイター通信によると、AUのワシントン代表部はトランプ氏に発言の撤回と謝罪を要求した。
またボツワナ政府は声明で「なぜこのような言葉をわざわざ使うのか。非難に値する人種差別発言だ」と強調し、駐ボツワナの米国大使を呼び抗議したことを明らかにした。
セネガルのサル大統領は「アフリカと黒人は全ての人の尊敬に値する」とツイート。南アフリカの与党アフリカ民族会議の副幹事長も「米国内でも数百万人が仕事がなく、医療や教育を受けられないでいる」と反論し、「トランプ氏の発言は(アフリカ諸国に対する)中傷としか受け取れない」と述べた。
トランプ氏は対アフリカ政策に触れることはほとんどなく、米国大使の空席が続く国も少なくない。アフリカへの関心がないと思われていただけに、南アフリカのテレビ司会者が「世界で最も偉大で美しい『くそったれの国』からおはよう」とツイートするなど、唐突な言及を皮肉る反応も多かった。