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若者定着策

空き長屋をアトリエに 築65年を再生 大阪

築65年の長屋を改築し、耐震補強を施してアトリエ兼住居にした細川裕之さん(右)と神吉奈桜さん=大阪市大正区で、幾島健太郎撮影

 少子高齢化に伴い、全国で空き家の増加が問題になる中、区内の空き家の割合が17.8%に上る大阪市大正区で、築65年の長屋がアトリエに生まれ変わった。一時は取り壊しも検討されたが、イラストや服飾といった分野のクリエーター用スペースと住居が一体となった施設に再生され、入居者を募集中。空き家を活用した若者の定着策として注目されている。【池田一生】

     住居と一体

     新しい施設はシェアアトリエ「ヨリドコ大正メイキン」(木造2階建て、延べ約250平方メートル)。大正区泉尾2の長屋を昨年11月に改築したもので、デザイナーでシェアオフィスの企画も手がける細川裕之さん(39)が中心となり運営している。1階にアトリエや共同作業場、デスクやキッチンなどを備え、最大10人が利用できる。2階はワンルーム住居が五つある。

     長屋は10年ほど前から入居者がおらず、所有者は取り壊しも選択肢の一つとして知人の細川さんに事情を話したところ、細川さんから「壊せば人の行き来がなくなる」として、シェアオフィスを提案されたという。一部はクラウドファンディングで資金を募り、目標以上の120万円が集まった。

     大正区内の家屋に占める空き家の割合は、2013年の調査で17.8%と、1993年調査時に比べて5.7ポイントも上昇している。また、大正区は大阪市内で3番目に高齢化率が高い。大正区役所の担当者は「今回の取り組みをモデルケースに、空き家の活用策を促していきたい」と歓迎する。

     改修や耐震化などの事業費は約3200万円。オープン前の内覧会には約1000人が集まった。かつての長屋を支えた木材をあしらい、昭和の長屋の雰囲気を残す。

     運営者の一人でイラストレーターの神吉奈桜(かんき・なお)さん(39)は「クリエーターが刺激し合い、大正から新たな文化や価値を発信する場所にしたい」と話す。

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