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第94回センバツ高校野球

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センバツ21世紀枠

候補校紹介/5 金津(北信越・福井) データ管理、課題解決

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体幹を鍛えるため5キロの重さのメディシンボールにひもをつけて振り回す球児たち 拡大
体幹を鍛えるため5キロの重さのメディシンボールにひもをつけて振り回す球児たち

 1打席目での分析に神経をそそぐ。相手投手の球質や配球などの癖を見極めてチームで狙い球やコースを絞り、2打席目から勝負に出るためだ。練習の8割を打力強化に費やし、練習試合から相手の弱点を探るための「考える野球」を染み込ませた。昨秋の福井大会は培った打力を分析通りに発揮。北陸や坂井といった甲子園経験校に打ち勝って、初の優勝を成し遂げた。

 データ分析に加えてここ数年、特に力を入れてきたのが体幹トレーニングだ。斎藤滋監督(50)は「上半身の力ではかなわない」と割り切り、下半身の力を無駄なく上半身に伝えて遠くに飛ばす力を養った。3~5キロの筋力トレーニング用のメディシンボールにひもをつけて振り回したり、体全体を使って真上に投げたりする。トレーニングメニューは100種類以上もあるといい、選手が個々の強化ポイントに合わせて選択し、自由に練習に取り入れる。

 国公立大学に毎年60~80人程度進学する公立校。平日は7限授業のため全体練習は午後5時から約1時間半のみで、自主練習も8時ごろまでと限られる。土曜日も補習があり、勉強と部活の両立は簡単ではないが、斎藤監督は「学校の仕事で練習を見られない時間が多いだけに、各自の体力をデータ管理し、それをもとに選手が短い時間で課題を解決していく」と話す。

 学校がある県最北端の福井県あわら市は過疎化が進む。野球をやる子供の数は減っており、例年、野球部の部員不足にも悩まされてきた。現在の野球部員は選手が22人。野球人口の底辺拡大に向け、市内の中学生による合同練習会にも参加し、市内のスポーツ少年団との野球教室も始めた。参加した4番の高桑篤耶(2年)は「遊びは手軽にできるサッカーとかバスケットが人気だが、野球の球を遠くに飛ばす楽しさをもっと伝えたい」と振り返る。

 中学校での軟式出身者が8割を占め、練習会は母校への恩返しでもある。文武両道の公立校が野球人気の回復にも一役買っている。【浅妻博之】=つづく

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