メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

アートの扉

加彩胡人俑 「今、ここにいる」存在感

加彩胡人俑(かさいこじんよう)

 それは昆布ですか、とツッコミをいれたくなるようなひげ。立派な太鼓腹。垂れた乳首にぎょろっとした目。かなりデフォルメされていそうだが、リアルだな、と思わせる不思議なオーラがある。ガラスケース越しでも存在感は圧倒的だ。

 中国で、死者とともに墓に副葬される人形(ひとがた)の俑(よう)といえば兵馬俑が有名だが、本展で紹介されるのは、唐時代の「胡人(こじん)俑」。中国からみて北方や西域、南方など非漢民族の人々を模したやきもの「陶俑」である。唐の都でシルクロードの拠点となった長安(現在の西安)から北西約150キロにある甘粛省慶城県の穆泰(ぼくたい)墓で、2001年に出土した。胡人はシルクロードを舞台に、交易などにかかわったとされる。

 穆泰墓の胡人俑は、表情や着衣、ポーズの取り方に至るまで実に手が込んでいる。生き生きとしているのだ。当時の中国の人々の、異民族・胡人に対する関心の高さの表れなのだろう。俑=副葬品の技術の高さは、当時の慶城県の繁栄の証拠でもある。大阪市立東洋陶磁美術館の出川哲朗館長は「特定の誰かではなく、デフォルメすることによって、今、ここにいる人の『本質』を表そうという意欲が見て取れる」と指摘する。

この記事は有料記事です。

残り409文字(全文932文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 鼻出しマスクで失格の40代受験生、トイレにこもり警察出動 注意されせき込む仕草も

  2. 変異株の感染確認、なぜ静岡で 英国滞在歴なし 厚労省クラスター班調査へ

  3. 大相撲・九重部屋で親方ら5人新たに感染判明 全力士が休場中

  4. 際立つ大阪のコロナ死 その理由、高齢者の「命のリスク」高める構図とは

  5. ORICON NEWS なかやまきんに君“本名”公開「初めて下の名前知りました」「本名カッコいい」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです