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*12月12日~1月15日
■星屑から生まれた世界 進化と元素をめぐる生命38億年史(ベンジャミン・マクファーランド著、渡辺正訳・2017年)化学同人・3024円
著者は米化学・生化学者。壮大な進化の物語を、謎解きのような面白さで描く。
本書が「星屑(ほしくず)から生まれた世界」のタイトルだけで、副題がなかったら、その内容が想像できて、本屋の書棚からあえて手に取ることはなかっただろう。地球も生命も我々も星屑でできている。このことを論じた類書は山ほどあり、論点も大体似通っている。
しかし、「進化と元素をめぐる生命38億年史」という副題となると珍しい。それに引かれて手に取った。この宇宙が、生命にやさしい宇宙だということは、原子核を構成する核子や、その周りをまわる電子、その正負の電荷に働く電磁力の源となる光子の存在が示している。この宇宙に、それらの素粒子が存在する必然的な理由はない。逆に、それらの素粒子が存在するからこそ、この宇宙に元素が存在し、化学法則が世界を支配し、惑星が…
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