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候補校紹介/7 下関西(中国・山口) 野球と勉強、分刻み
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昨年10月、秋の中国大会へ出発する日、選手たちは教室で机に向かっていた。初の中国大会だったが、全校模試を1教科だけ受けて広島へ。残りの教科は練習日や開会式の日に宿泊先で受験した。「いつも通りに勉強したことでリラックスできた」と田中大介監督(43)。中国大会では、1回戦で甲子園常連の開星(島根)に敗れはしたが1-3と接戦を演じた。
本州で最西の山口県下関市にある県内有数の進学校。野球部のここ10年の成績は選手権、秋の山口大会でもほとんどが1、2回戦敗退だったが、昨夏の選手権山口大会で3回戦に進出。秋の大会では準々決勝で2013年に春夏の甲子園に出場した岩国商を破った。
練習では「アウトの打球をアウトにする」が長年のテーマで、伝統的に守りは堅い。一方で打撃は課題だった。昨秋からの新チームの部員は21人いたが、例年はベンチ入りを満たさない。グラウンドは他部と共用で、放課後の練習時間は長くても2時間半しかとれない。安全なフリー打撃には人数や長い時間が必要で、試行錯誤の末、打撃練習は投球距離をネットで囲った「とりかご」を使うようになった。投球マシンから次々と出てくるボールをひたすら打つ。打撃軌道の確認よりも投球距離に対する数多いスイングを選んだことで打力が上がった。
選手たちの生活は、野球と勉強が分刻み。少ない練習時間は午前7時半からの朝練で補う。主戦で4番の吉田有輝(2年)は午前4時に起きて自宅で2時間勉強に費やす。午前6時台に学校で勉強してから練習する選手もいる。夜も半数が塾に通っているが、三浦公暉(2年)は「授業で寝たことはない」と言い切る。13年度以降の野球部の27選手の卒業生は、22人が東京大、九州大などの国公立大、2人が難関私大に進学した。現チームの主将で捕手の小川和幹(2年)は東大志望だ。
学校には1920年の創立の頃から「天下第一たれ」との願いが込められた「天下第一関」の銘が伝わる。関門海峡を望む地で、野球でも勉強でも日本一を目指す若者がいる。【吉見裕都】=つづく
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