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ICAN

フィン氏「ここが被爆者が飛び込んだ川ですか」

平和記念公園を訪れたICANのベアトリス・フィン事務局長(右)と川崎哲・国際運営委員=広島市中区で2018年1月15日午前9時42分、山田尚弘撮影

広島を初訪問 「特別な経験」 元安川の前では感慨深く

 昨年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(35)が広島を訪問した。これまでも多くの書物や被爆者の証言を通じて核兵器について学んできたが、実際に訪れるのは初めてで、「特別な経験」だったという。地元の若者やNGOとそれぞれ集会を開き、昨年7月に採択された核兵器禁止条約について、「(不参加の)日本政府はまず参加、不参加による具体的影響について調査する必要がある。市民からも声を上げ、議論を進めてほしい」と語った。

 12日から来日中のフィンさんは15日、広島市でのプログラムに参加した。午前9時半ごろから、ICANの川崎哲・国際運営委員と平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑に献花。広島平和文化センターの小溝泰義理事長の案内で公園を歩き、身元不明のほか、引き取り手のいない被爆者約7万人分の遺骨が納められている原爆供養塔などを見て回った。

 「ここが、被爆者が逃げて飛び込んだ川ですか」。原爆ドームが対岸に見える元安川の前では感慨深そうに質問し、原爆資料館では被爆前の街並みの写真や、原爆で亡くなった人たちの遺品を熱心に見学。芳名録に「広島は希望の都市であり、ICANは核兵器の終わりを見届けるため、皆様と共に力を尽くします」と記帳した。

 8歳の時に爆心地から2.4キロで被爆した小倉桂子さん(80)の証言も聞いた。「被爆者の心の傷は何年たっても癒えない」などと話す小倉さんを見つめながら、フィンさんは「私には6歳の娘がいる」と話し、つらい体験を繰り返し語ってきた小倉さんの思いに心を動かされた様子だった。

 午後に広島市が主催した高校生や学生らとの対話集会では、核廃絶に向け、「若者には三つの武器がある。希望、エネルギー、そしてソーシャルメディアだ」と述べ、価値観を共有する人たちがつながり、変化を信じる勇気を持ち続けることが大切と呼びかけた。

 フィンさんと平和運動のあり方について議論した広島市立大4年の高田陽一朗さん(23)は、「フィンさんは『大きな動きを起こすには、興味を持ってくれない1人を説得するより、自分と近い考えの人を集める方が近道だ』と話していて、説得力があった」と振り返った。

 会場には市立基町高の生徒が被爆者に体験を聞き取りながら描いた「原爆の絵」が展示された。被爆当時4歳だった女性が赤ん坊を背負った母親と焦土を歩いている作品を描いた3年の新宅杏袈(きょうか)さん(18)は、フィンさんから「素晴らしい」と声を掛けられたといい、「絵から当時の悲惨さを感じてもらえて良かった」と話していた。

 夜には、禁止条約の早期発効に向けて活動するNGOとの意見交換会があり、国民の議論を盛り上げる方策を問われ、「いかにシンプルにやるかだ。(核兵器は)専門家の話ではなく、道義上、イエスかノーかの話。私たちは政府にプレッシャーをかける方法をクリエーティブに探していかなければいけない」と語った。【竹下理子、山田尚弘】

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