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候補校紹介/9止 伊万里(九州・佐賀) 凝縮の90分練習追求
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わずか90分。極端に短い練習時間でいかに効率良く練習するか。2014年に就任した吉原彰宏監督(42)はメニューを分刻みで区切った。「時間対効果」がキーワードだ。
ノックバットから打球が転がり、マネジャーがストップウオッチを押す。その瞬間、10分間のノックが始まる。内外野は別で、各ポジションにいるのは多くて2人。全体を2班に分け、残りは打撃マシンを活用してゴロ捕球をさせる。10分後、班を入れ替えてもう1セット。間隔を置かずに次々とボールが飛び、ミスをしても「もう1球」はない。計20分で100球の捕球を目指している。
県内有数の進学校のため、週3日は7限目まで授業がある。それでも、吉原監督は「午後7時15分完全下校」を厳守させる。下校時間から逆算してメニューを設定。土日も塾に通う選手もいるため、基本的に半日練習だ。
犬塚晃海主将(2年)は「一分一秒も無駄にできない。短時間練習が試合での集中につながっている」と言う。昨秋の佐賀大会では甲子園優勝経験のある佐賀商と佐賀北を撃破。準決勝の多久戦では八回2死走者なしから逆転勝ちして、135季ぶりの九州大会出場を決めた。
地元の後押しも大きい。13年、伊万里市が地元の商工会などとともに「『目指せ!甲子園』プロジェクトチーム」を設立。選手の県外流出を阻止するため、中学生を対象に社会人野球・西部ガス(福岡市)を招いて野球教室を開催している。始まった当時、中学1年だったのが犬塚の世代。また、選手もボランティアで少年野球大会の審判を務めるなど、相互で底辺拡大に取り組んでいる。
佐賀からは07年の小城以来選抜出場がなく、全国最長ブランクとなっている。「強豪校では当たり前のことができなくても、ここまでやれると見せたい。甲子園で勝つのが目標」と犬塚。夢がかなうと信じ、きょうも凝縮の90分間を積み重ねる。【生野貴紀】=おわり
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