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2018冬/1 被写体、誰であろうと 「焼き場に立つ少年」捜し続け 深堀好敏さん(88)

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「焼き場に立つ少年」が収録された写真集を眺め、撮影場所の見解を語る深堀さん
「焼き場に立つ少年」が収録された写真集を眺め、撮影場所の見解を語る深堀さん

 ローマ法王庁が昨年末、「戦争が生み出したもの」という言葉を添えた写真入りのカードを広く配布した。写真は米従軍カメラマンだったジョー・オダネル氏(2007年死去)が終戦直後の長崎で撮影したとされる。

 亡くなった弟を背負った少年が火葬場となっていた川岸で順番を待つ姿を捉えた一枚は、「焼き場に立つ少年」の名前で知られる。核兵器廃絶を訴えてきたローマ法王が配布するよう指示した。

 「困ったなー、と思ってね」。新年のあいさつもそこそこに深堀好敏さん(88)が切り出した。長崎原爆の写真を調査してきた深堀さんは長年、この少年を捜してきた。だが、顔立ちがはっきりと写っているにもかかわらず少年を知るという人物は現れない。背後の木立には葉が茂り、熱線と爆風で黒焦げになった被爆直後の長崎とかけ離れている。「少なくとも爆心地周辺で撮影されたものではない」。深堀さんが出した結論だ。

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