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西部邁さん死去

多摩川で入水自殺か 78歳、遺書残し

西部邁さん=東京都千代田区で2018年1月11日、鈴木英生撮影

 21日午前7時ごろ、東京都大田区田園調布5の多摩川で、世田谷区の評論家、西部邁(にしべ・すすむ)さん(78)が倒れて浮かんでいるのを、「父が河原から飛び込んだ」との110番で駆け付けた警視庁田園調布署員が発見した。西部さんは意識がなく、搬送先の病院で死亡が確認された。

 同署によると、通報者は西部さんの長男(48)で、西部さんが自宅からいなくなったため、同日未明に警視庁に捜索願を出すとともに、行方を捜していたという。身元は長男が確認した。

 西部さんに目立った外傷はなく、現場付近には遺書とみられるメモが残されていたことなどから、自殺とみて調べている。

    ◇

 保守派の論客として知られた社会経済学者の西部さんは北海道長万部町生まれ。東大大学院修了。1960年日米安保反対闘争の先頭に立つが、最終的に左翼と決別した。

 米英に留学し、横浜国大助教授などを経て東大教授。大衆社会批判、対米追従批判を軸に、幅広い評論活動を開始する。英国の思想家エドマンド・バーク流の保守主義者として不完全な人間の現実を見つめ、歴史的な慣習とそこから導かれる伝統の意義を説いた。

 88年、人事をめぐる対立を機に東大を辞職。秀明大学頭などを務める傍ら、94年から「真正保守」をうたう月刊誌「発言者」(後に「表現者」)の主幹として、雑誌名を冠した私塾を開く。討論番組「朝まで生テレビ!」などに出演。サントリー学芸賞の選考委員も務め、2010~13年には毎日新聞「異論反論」欄を他の執筆者と共に担当した。

 「経済倫理学序説」(吉野作造賞)、「生まじめな戯れ」(サントリー学芸賞)、「サンチョ・キホーテの旅」(芸術選奨文部科学大臣賞)のほか「大衆への反逆」「六〇年安保 センチメンタル・ジャーニー」「妻と僕」など著書多数。【稲垣衆史、鈴木英生】

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